昨年夏に公開された「タリーと私の秘密の時間」が
こちらで上映されていたから。
建物1Fは貸本スペース、2Fは映画上映のスペースです。
趣きある階段を上がっていくと、
アンティークの様々な椅子や机があって
こじんまりとしたお部屋。
前方に大きなスクリーンがあります。
さて「タリーと私の秘密の時間」
こちらは一生懸命三人の子育てに頑張る
女性の苦悩を描いた映画。
三人目に授かった四十代での出産、
母乳育児を頑張りたくて
上の子二人の子育ても家事も
手を抜きたくない彼女。
だけど他人に頼ることは大の苦手。
彼女にとってもう一つ大きな悩みの種は長男のこと。
情緒が安定するから、と息子の身体を
優しくブラッシングする彼女、
だけどこだわりと自己主張がとても強い彼は、
日常の定番が崩れることを許容できず
大きな音も苦手で水洗トイレの流水音にも恐怖を感じるほど。
通っていた小学校からは
その子にあった教育を提供できる学校に
転校した方が良いと迫られてしまうのです。
家事にはとても十分には手が回らなくて
冷凍物も食卓に上がる日々。
出張で留守がちな夫は
母乳育児は男は役に立たないと
就寝前にヘッドホンをつけて一人ゲームに興じる日々。
話を聞いてくれるだけでいいのに、と思う妻。
忙しい、疲れている、余裕がない、孤独、
表面的にはそれで追い詰められているように見えるけれども
「自分に対して怒っている。空っぽだから。自分が」って
言った言葉がとっても印象に残りました。
終わりなく繰り返される忙殺された時間の中で
こんなにも一生懸命頑張っているのに
自分を空っぽだと感じてしまった時
何よりもそれは大きな衝撃なんだと思いました。