先日、東京 新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催されていた
「生誕140年 吉田博展 山と水の風景」に行ってきました。

2015年にMOA美術館で初めて見た吉田氏の「風静(昭和12年作)」
という木版がとても印象的だったことから、
ぜひ他の版画も見てみたい!と思ったのです。
前売りチケットは買い求めていたけれど、
今夏はあれこれと忙しくて、
ようやく時間がとれたのは会期最終日。
1階エレベーターに乗る時点で、既に長蛇の列。
入場規制がかかっていましたけれど、待ったかいがあったなあ。
ところで、こちらの美術館、ゴッホの「ひまわり」を
所蔵している美術館としても有名。
1987年当時のレートで58億円で購入したのだそうです。
吉田氏の作品の最後のコーナーに隣接して、
ゴッホのひまわりも常設展示されていました。
花びらの一部は絵の具が盛り上がった部分があって、
花びらの生命力が活き活きと再現されていうかのようでした。
ゴッホはどんな眼差しでこの1枚1枚を描いたのでしょうか。
さて吉田氏のこと、私はてっきり版画家なのだと思っていたけど
実は油絵、水彩、多彩な才能を発揮された方でもありました。
版画の道を進みはじめられたのはなんと吉田氏49歳の時。
いろいろな状況を自分にとってプラスの転機と考え
人間何歳になってもチャレンジすることって大事ですね…。
大正14(1925)年8月、吉田氏がアメリカから帰国した後、
私家版木版41点制作したのが始まりなのだそうです。
日本の浮世絵を喜ぶアメリカ人の姿を目にして、
自分はもっと、美しい版画を作れる!と奮起した吉田氏。
美しく優しい空気感に充たされる版画を多く作られていますが、
実は随分、気骨溢れる方なのだと知りました。
また吉田氏が描く山は、自分が実際登り
そこで野営などしながら自分で見て、感じた風景を
描いていたのだそうです。
幼い頃から山をこよなく愛した吉田氏ですが、
外遊計画した時、ちょうど第一次世界大戦のために果たすことが
できなかったのがきっかけで、国内登山に熱中するようになったそうです。
それが作品制作により一層活かされてくるわけです
吉田氏の生き方自体もすごく、感銘を受けるもの多かったです。
今回印象的だったものをいくつかご紹介したいと思います。
posted by Lana-Peace at 12:57|
アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸