先日利用した東京・京橋の「東京スクエアガーデン」内のお手洗い、
何か便座の形状がちがうなあーと思ったら
何とそれは前広便座でした。


「前広便座」のこの便器、
人工肛門・人工膀胱(オストメイト)・自己導尿が必要な
方のための工夫が施された便座です。
オストメイトの方は腹壁に排泄物が出る粘膜の口が作られ
そこに排泄物をためる袋が取り付けられています。
もし通常の便座に座った状態で
排泄物を袋から出して処理しようと思っても
便座前方の長さが足りなくて、それができない。
結局、便器に向かい合うようにして
立ったまま、中腰、あるいはお手洗いの床に膝をついて、
袋から排泄物を便器に流さなければいけないわけです。
立ったままでは便器水面まで距離があるから
きれいに処理することができないこともありますね。
中腰では自分の背中や腰、股関節、膝に負担が来るし
かといって床に膝をつくのも抵抗があるかもしれません。
自宅では便器に向かい合う際に座れる椅子など
用意できますが、外出先ではそんなわけにもいきません。
そこで便器に深く座ることができて、
しかも便座が広く開口していることにより
座ったまま排泄物の処理ができるように工夫されたという
この「前広便座」。
もちろん健常者の人も普通に使用できます。
「e-anza」というこの商品、
私は初めて見たので調べてみると
こちらの片倉工業株式会社のHPに出されていました。
https://www.katakura.co.jp/business/e-anza/一体型便器やタンクレス便器には取り付け不可だそうですが
一般的なトイレの便座を取り換えると
これができるそうです。
オストメイトの方だけでなく
自己導尿の方も自分でカテーテルを尿道に入れる際、
深く座って、手元の空間が広々使えるのはいいことですね。
こうした場合、個室トイレ内に手を洗う場所が無くても大丈夫?
そんな声が出るかもしれないけれど、
健常者の人も排泄後、手を洗うのは個室を出た後だし
袋の排泄物の処理の際に、そんなに手が汚れるわけでもないし
もし汚れても携帯ウェットティッシュなどで
十分対応できるものね。
特に個室の広さが広いわけでもなく、
いたって普通の個室トイレの並びにあったこの便座の便器、
大がかりな個室拡張工事なども不要ですね。
そして今、車椅子対応として広々した空間をとって
設置されているトイレも実はすべてが前広便座なわけではありません。
少し工夫を取り入れるだけで
いろいろな人への恩恵が増えるって良いことです。
オストメイトではない小学生くらいのお子さんが
前広便座を利用する時、確かにいつもの便座よりは
開口部が大きく感じるかもしれないけれど、
便座の奥に深くしっかり座ることを知っていれば
困ることもないですね。
そういうトイレがあるんだよって、学校で教えていれば
こどもたちも戸惑うことないだろうし。
お腹が大きくなった妊婦さんにとっても
奥深く座って前方開口部が広い便座は
使用しやすいだろうと思います。
posted by Lana-Peace at 10:22|
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