おかげさまで本日17周年を迎えました。
思い返せば2006年は転機の年で
当時、自分から仕事を取り上げたら何も残らなくなってしまう
空っぽの自分に恐怖というか、これはとんでもないことだというか
そういう気持ちに駆られて通信制の大学で歴史を学び始めた年でした。
そして大学の所在地であった京都のスクーリングにでかけた秋
せっかく京都まで来たので授業だけではもったいないと思って
京都の町を散策していた折、
20年ぶりに六波羅蜜寺に出かけてみました。
六波羅蜜寺は空也上人の唱えた「南無阿弥陀仏」が
六体の阿弥陀如来様として口から出てくる、
あの有名な立像があるお寺です。
六波羅蜜寺には高校生の時に行ったことがありました。
当時臙脂色の山川出版の日本史の教科書に掲載されていた
空也上人立像がとにもかくにも印象的でした。
是非本物を見たいと思って
高校3年になる前の春休みに出かけたのです。
いよいよ受験勉強、ちゃんとしなくては、と思い
その前の踏ん切りをつけるためのお出かけ先でした。
高校生、もう40年近く前の話です。
当時ひっそりとした境内の宝物館に空也上人立像がありました。
長い時間、色々な角度から眺めていたら
宝物館の職員の方に
「そんなに好きなら絵葉書買っていけばいいのに」と言われました。
でも当時お小遣いをためてなけなしのお金で
鈍行に乗って地元岡山からはるばるやって来たわけですから
絵葉書を買うかどうかも一思案なわけです。
結局その時は買わなかったのでした。
でもあの頃、心の中に焼き付けた阿弥陀仏の空也上人は
折に触れ、思い出すことになりました。
そして2006年に再び訪れた前の六波羅蜜寺からの帰り道
鴨川方面に向かって歩いている時に思い立ったのが
この「けいこかふぇ」です。
始めは右往左往、紆余曲折ありましたが
こうして続けていられるのは
たくさんのこどもたちが見に来てくれているおかげです!
大学は斜面の上に立っていたところだったので
学校からホテルへ戻る際、西側の鴨川方面に沈んでいく夕陽が
とってもきれいでした。

図書館の前にうっそうとした木々が立ち並び
そこから夕陽が木漏れ日のように見えていたのですが
なんだか木々の向こうに別世界が広がっているみたいでしょう。
走り続けていた人間が立ち止まると
見えてくる風景も変わってくるから不思議です。
これからも病気で外に遊びに行けないお子さんたちが
楽しい気分になれるように頑張っていこうと思います。
長原恵子