2018年06月30日

画像石 鳳凰(後漢時代・1〜2世紀) 東京国立博物館所蔵

古代中国で地下のお墓や地上の祠堂の建材の一部として
用いられた「画像石」。
美しい鳳凰が刻まれた画像石が東京国立博物館 東洋館に
展示されていました。

鳳凰によって美しい死後の世界へ導かれ、
そこで安らかな時を過ごしてほしいといった願いが
一彫、一彫に刻まれているようです。

詳しくはこちらに書きました。


Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
「画像石 鳳凰(後漢時代・1〜2世紀)」
(東京国立博物館蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-055.html

2018年06月28日

羊磚(ようせん)―古代中国の地下墓の入口にはめ込まれていた部材

東京国立博物館に古代中国の地下墓の入口にはめ込まれていた部材
「羊磚(ようせん)」がありました。
そこに施されている様々な意匠は
羊、お金、修行僧、楼閣。
一見ばらばらのようにも見えますが
すべてに通じているのは
死者が死後の世界で安寧に過ごせることを願う心です。

詳しくはこちらに書きました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
「羊磚(ようせん)」
(東京国立博物館所蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-054.html

2018年06月25日

2000年前の6歳の少女の死出の旅を彩った金の葬送用マスク(国立サウジアラビア博物館所蔵)

先々月、国立東京博物館で開催されていた
『アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝』を見に行きました。
そこには金のマスクと美しい宝飾品があったのですが
それらは6歳前後で亡くなった少女の副葬品として
サウジアラビアのテル・アッザーイルで出土したと知りました。

当日はこの展示品に関して1枚パネル解説があったのですが、
情報が少なかったのでいろいろ調べてみました。
するとその中で2010年に開催されたパリの
ルーブル博物館特別展冊子『Roads of Arabia』に
Claire Reeler氏とNabiel Al-Shaikh氏が寄稿されていた
「THE TOMB OF THAJ」の章にこのマスクに関したことが
詳しく記されていたので、
今日はそちらも参照しながら、ご紹介したいと思います。

※2010年ルーブル美術館特別展カタログ
『Roads of Arabia: Archaeology and History of the Kingdom of Saudi Arabia』
参考章 Claire Reeler, Nabiel Al-Shaikh「THE TOMB OF THAJ」(2010) , pp.392-397



2000年前の親心がひしひしと伝わってくる
金のマスクと宝飾品の数々です。

詳しくはこちらに書きました。


Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
「金の葬送用マスク」
(国立サウジアラビア博物館所蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-053.html

2018年05月22日

「天空図屏風 日は照らせれど(千住博作)」と万葉集2巻169(草壁皇子(日並皇子尊)への挽歌 柿本人麻呂作)

こちらで千住博先生の「天空図屏風」をご紹介しましたが
出発ロビー床面にあった解説板には、
千住先生の思いが書かれた文章に
万葉集の2巻169が添えられていました。
薨去した草壁皇子(日並皇子尊)への柿本人麻呂作の挽歌です。

千住先生は「天空は一種の画紙であり、
その画紙には光、雲、大気、風により毎日絵が描かれている。
いわば自然の絵画である。しかも、何億年もの間、
ひとつとして同じものがない無限の絵画なのだ。」と記されていました。
その「自然」を「生死」と読み替えても通じるものだと言えます

詳しくはこちらに書きました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
「天空図屏風 日は照らせれど」千住博 作
(羽田空港国内線第一旅客ターミナル)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-052.html

2017年11月04日

朱色の蔦の葉と旅立つこどもの魂  夏秋草図屏風草稿(酒井抱一 作)から考える

東京丸の内の出光美術館で開催れた「江戸の琳派芸術」に
酒井抱一の「夏秋草図屏風草稿」が出展されていました。
東京国立博物館所蔵の夏秋草図屏風の草稿となります。

二曲一双の左隻には薄が風にたなびき、弧を描き
その穂の先を伸ばしていくと、朱色の蔦の葉が。
薄の根元には蔦が絡まるように生えています。

しっかりと大地に生えていた蔦の葉が、緑から朱色に変わり、
やがて風に舞って空に飛んでいく…。
その様子は、亡くなるこどもの巣立つ魂のようでした。



詳しくはこちらに書きました。


Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
「夏秋草図屏風草稿 酒井抱一 作」
出光美術館蔵
http://www.lana-peace.com/2/2-4-042.html

2017年09月18日

エンゼル形文字板回転置時計(松本市時計博物館蔵)

19世紀、ドイツで作られた置時計が
松本市時計博物館にありました。
天使が抱える大きな矢の先が、
巡る回転時計の文字板をを示しています。
無垢な表情の天使。
こどもを亡くし、時が止まったように感じる親御さんに、
再び時の刻みを意識させてくれるような気がした時計でした。

詳しくはこちらに書きました。


Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
「エンゼル形文字板回転置時計
 (松本市時計博物館蔵)」
http://www.lana-peace.com/2/2-4-034.html

2017年09月01日

「三千米」吉田博――「生誕140年 吉田博展 山と水の風景」東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館, 2017

「生誕140年 吉田博展 山と水の風景」
(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)から
生や死について想起させられたものをご紹介です。

雲海の向こうに、まさに今、太陽が昇ろうとする様子。
そこには亡くなったこどもたちが美しい生きる世界がある…
そういう気持ちになれる絵です。


詳しくはこちらに取り上げました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
三千米 吉田博作
(個人蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-033.html

「光る海 瀬戸内海集」吉田博――「生誕140年 吉田博展 山と水の風景」東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館, 2017

「生誕140年 吉田博展 山と水の風景」
(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)から
生や死について想起させられたものをご紹介です。

水平線の向こうには太陽の姿は見えないけれど、その光が海面を美しく照らし出している様子は実に美しいものでした。
見えないけれども、美しさを放つ…それは亡くなったこどもの姿のです。

詳しくはこちらに取り上げました。


Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
光る海 瀬戸内海集 吉田博作(個人蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-032.html

帆船 朝日 渡邊版」「帆船 朝 瀬戸内海集」吉田博――「生誕140年 吉田博展 山と水の風景」東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館, 2017

「生誕140年 吉田博展 山と水の風景」
(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)から
生や死について想起させられたものをご紹介です。

木版画で描かれた太陽を背にした帆船は、
まるで後光を放つ神仏のよう。
そこから放たれている不思議な力により、
見ている者が守られているかのような感覚を持つ木版画…。

詳しくはこちらに取り上げました。


Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
帆船 朝日 渡邊版 吉田博 作(個人蔵)
帆船 朝 瀬戸内海集 吉田博 作(個人蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-031.html

「鳩と少女」吉田博――「生誕140年 吉田博展 山と水の風景」東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館, 2017

「生誕140年 吉田博展 山と水の風景」
(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)から
生や死について想起させられたものをご紹介です。

明治43年から44年に制作されたこちらの水彩画。
鳩にえさをあげる着物姿のかれんな少女。
穏やかな空気感もあり、寂しそうな感じもあり。
その少女の姿は明治44年に夭逝した吉田氏の長女だったのでしょうか…?


詳しくはこちらに取り上げました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
鳩と少女 吉田博 作 (福岡市美術館蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-030.html

2017年02月10日

音符に託した娘との会話 ― 作曲家ベドルジハ・スメタナ

ベドルジハ・スメタナのピアノ三重奏曲ト短調(1855年11月完成)
それは大変心揺さぶられるとても美しい曲ですが
その誕生の裏には実に悲しいストーリーがありました。
1855年9月、突然猩紅熱で長女ベドルジーシカが
4歳の命を閉じてしまったのです。
そこからひたむきに2か月鍵盤に向かった父、ベドルジハ。
娘を思う悲痛な父親の叫びと娘への語りかけが
このピアノ三重奏曲には込められているように思います。

そしてスメタナは5年の間に
妻、長女、三女、四女を亡くしています。


喪失を積み重ねながら
それでも人は生きていく。
その人生は過酷だけれど
きっと天から
しっかりと見守られ、
支えられて導かれているのだと
思うのです。


詳しくはこちらに書きました。


Lana-Peaceエッセイ
お子さんを亡くした古今東西の人々
「音符に託した娘との会話」
http://www.lana-peace.com/2/2-2-025.html

2015年12月25日

小田和正氏と和田 唱氏による「Heal The World」〜クリスマスの約束2015(TBS)

毎年楽しみにしている小田和正氏の「クリスマスの約束」
2015年分は昨晩より本日未明にかけて、TBSで放映されました。

参加者みなさんのいろんな思いの詰まった歌は、良かったけど
特に今年は小田さんと和田唱さんのカバーされた「Heal The World」
なんだか、とっても、しみじみ良かったなあ……
生と死についてしみじつ伝わるものがあって。


詳しくはこちらに取り上げました。


Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
Heal The World
(小田和正・和田唱 TBS「クリスマスの約束」 2015年)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-025.html

2015年12月22日

吉田 博「風静」(MOA美術館)

MOA美術館(静岡県熱海市)で常設展示されていた
吉田 博氏の木版「風静」(昭和12年)は
浄土とこの世は一続き、そう想起させるような絵でした。


詳しくはこちらに取り上げました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
風静(吉田 博・MOA美術館蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-024.html

2015年10月06日

赤絵手婦人図クラテル(「ときをかける器ロマン展」/ 2015年 東京富士美術館)

解説板によるとクラテルとは
水と葡萄酒を混ぜるための容器だとか。
でも火葬した骨の灰を入れる容器としても
使われたのだそうです。

DSC04900.jpg
※展示品の撮影は職員の許可を得たものです。


詳しくはこちらに取り上げました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
赤絵手婦人図クラテル
(イタリア アプリア地方出土・東京富士美術館蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-022.html

ホワイトレキュトス(「ときをかける器ロマン展」/ 2015年 東京富士美術館)

解説板によると、香油や調理用油の容器として
使われていたそうですが、
前5世紀以降の白地のレキュトスは
死者に捧げるための葬祭用として使われたのだそうです。

DSC04907.jpg
※展示品の撮影は職員の許可を得たものです。


詳しくはこちらに取り上げました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
ホワイトレキュトス
(ギリシャ アッチカ地方出土・東京富士美術館蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-021.html

灰陶加彩雲気文双耳壺(「ときをかける器ロマン展」/ 2015年 東京富士美術館)

焼成した後に赤、灰、紫色の絵の具で文様が描かれたという壺。
雲気文や鋸歯文の描かれたこのような壺が
華北の戦国時代のお墓に、副葬品として多かったのだそうです。

DSC04913.jpg
※展示品の撮影は職員の許可を得たものです。


詳しくはこちらに取り上げました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
灰陶加彩雲気文双耳壺
(中国出土・東京富士美術館蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-023.html

2015年06月07日

「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美(2015年・渋谷)」から考える生と死

Bunkamura ザ・ミュージアムでの展示
「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美」では、
いろいろと、生と死について考えるきっかけが多くありました。

詳しくはこちらに取り上げました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
時間を取引することは神の領域であるならば…
「ボッティチェリとルネサンス」より考える
http://www.lana-peace.com/2/2-4-020.html

彩釉テラコッタ「聖母子」(1510年頃, アンドレア・デッラ・ロッビア工房)「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美(2015年・渋谷)」より

こちらで紹介した
「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美」ですが
非常に印象的だった作品がアンドレア・デッラ・ロッビア工房の
彩釉テラコッタの「聖母子」でした。
こちらアンドレア・デッラ・ロッビア工房
1510年頃に製作されたものと伝わり、直径42cm。
フィレンツェ バルジェッロ国立博物館所蔵です。

会場で販売されている公式図録の写真ではテラコッタの中心は
灰色がかった白色ですが、
実物は全然違う、みずみずしい美しさを放っていました。

お子さんを亡くされて、苦しい気持ちでいっぱいの時、
心の中がぐちゃぐちゃで、
気持ちのエネルギーがダウンしてしまったとき、
そうした何か心の掻き乱される思いを、
少し緩やかになだめてくれるような力を持っているような
そんな作品に思えました。



詳しくはこちらに取り上げました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
聖母子
(アンドレア・デッラ・ロッビア工房, バルジェッロ美術館蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-019.html

「ケルビムを伴う聖母子」(1470年頃, サンドロ・ボッティチェリ)

こちらでご紹介した
「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美」ですが
どの作品も素晴らしかったけど、
思わず帰り際に、その場に戻って、しばらく閉館間際まで
一人で見入ってしまった作品がありました。

1470年頃、サンドロ・ボッティチェリによって描かれたと伝わるテンペラ画
「ケルビムを伴う聖母子」(フィレンツェ、ウフィツィ美術館所蔵)です。
中央の幼子キリストは夭逝したT君にとてもよく似た眼差しだったから。


詳しくはこちらに取り上げました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
ケルビムを伴う聖母子
(サンドロ・ボッティチェッリ, ウフィツ美術館蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-018.html

2015年03月21日

伝東大寺写経工房 華厳経 ((二月堂焼経断簡), ポートランド美術館所蔵)

ポートランド美術館には二月堂焼経断簡が展示されていました。
寛文7年(1667)、東大寺二月堂のに火の手が上がった
焼け跡から発見された『華厳経』の断簡。

大切なものは時間や空間を通り越して、存在し続けるのだと
改めてそう感じずにはいられません。
それはたとえば、先立ってしまったこどもの魂のように。

DSC00528.jpg


詳しくはこちらに取り上げました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
伝東大寺写経工房 華厳経(二月堂焼経断簡)
(アメリカ ポートランド美術館蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-017.html