2014年07月17日

高野山福智院 お宝 7 高山右近 所用 日根野兜

高野山福智院にキリシタン大名の高山右近所用の日根野兜がありました。
兜の正面には緑の十字架が。
それは前頭部を守るだけでなく、まるで第三の目を守るかのようでした。

兜の十字架は、闘いに挑む不安や恐怖を鎮めてくれたのかなあ。
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高野山福智院 お宝 6 高野山僧兵鎧

織田信長・豊臣秀吉の高野討伐の際に僧兵が着用したものだそうで
解説板によると「現存本邦唯一」とのこと。
鎧櫃は携帯に便利な竹製の笈(おいづる)型式であることは珍しいのだそうです。
この鎧を着て、命の際で僧兵が守りたかったもの、
それはやっぱり、信仰の宿る場所の聖性だったのかなあ。

写真は全然うまくとれなかったけれど、
せっかくなので、のせておきます。
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鎧櫃
竹がとてもしっかりと編み込まれています。
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高野山福智院 お宝 5 飛鳥時代の救世観音立像

休憩室にあらわれる救世観音立像、
なんと飛鳥時代(!)の立像とのこと。すごすぎる。
どれほど長い時間、日本の変わっていく様子を眺めていたのだろう。

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解説板より
「大和法隆寺の百済観音とほゞ同時代の作」

高野山福智院 お宝 4 今なお輝く大日如来坐像

重森三玲氏作庭の登仙庭が見えるように机と椅子が置いてあるのですが
その休憩室の机の横に寺宝の大日如来坐像(鎌倉時代)があります。
大日如来座像に見守られながらの休憩は、めったにできないことですね。
表面の金箔はまだ残っているところもあります。すごいですね。
作られた当時はさぞ太陽の如く、美しく光り輝いていたのだろうなあ。
ガラスケースに入っているので、うまく写真にとれなかったけれど、
実物は写真よりも、もっともっと迫力あります。

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解説板より
「檜材、寄木造、漆箱、玉眼を嵌入する像で、
 その構造、技法は運慶の作品とも共通している」

高野山福智院 お宝 3 登仙庭の錦鯉

重森三玲氏の作庭した「登仙庭」には錦鯉がたくさん。

鏡のように庭の緑を映した水面の下に
ゆっくり動く鮮やかな錦鯉。

私が見ている世界とは別の世界で
鯉が泳いでいるようでした。

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高野山福智院 お宝 2 雲中供養菩薩像

高野山福智院の応接コーナーの天井を見上げると、
そこには雲中供養菩薩像がおもむろに。
なんだか天からずっと見守られているような。
思わず京都の平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩像が
ここまで飛んできたかのようでした。

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高野山福智院 お宝 1

高野山福智院は中に入ると、美しい工芸品や像などが応接スペースに
とてもたくさん置かれています。
まるで博物館の中にある展示物が、そこにあるかのように。
どうしてなのかなと思ってうかがったところ、
先代の住職さん美しいものがお好きでいろいろ集められ、
ご自分でも襖絵や壁の絵など、描かれていたのだそうです。
以前は博物館的に展示していたそうですが、保管が大変なので、
建物の中の調度品の一部にして開放し、利用してもらっているとのこと。

現在私たちが博物館の中でお目にかかるような美術品は
神仏を讃えるためのものであったり、
信仰の対象を再現したり、人々の生活を美しく彩るために作られるもの。
本来の在り方はこうだったのかなあ、と思いつつそばで眺めると
とても迫力があります。

いろいろあったので、ご紹介しようかと思います。
写真上から、売店横のついたて、応接セット、壁絵です。
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(もちろん座っていいわけですが、どうにも落ち着かない…)

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2014年07月10日

高野山でいただく極上スイーツ

高野山で宿泊した福智院では甘味処はないのですけど
奥の院近くにおいしい洋菓子をいただけるお店を見つけました。

私は奥の院参拝のため一の橋口から奥の院まで歩いて往復したのですが
奥の院に日傘を置き忘れたことに気付き、
「これからもう1回この距離を徒歩で往復する元気はないなあ」と思い
一の橋口に停めておいた貸自転車でバス通りを奥の院に向かって走らせたところ、
途中で「かさ國カフェ」を見つけました。
高野山で煙突の付いた洋館?たくさんお花が飾られたそのお店。
さっそく、傘を見つけた帰りに寄ってみました。

かさ國ロール 350円
抹茶生地のロールケーキで、大納言とクルミ入りの求肥が入ってます。
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意外な組み合わせの求肥。
しっとり柔らかく、抹茶のロールケーキと大変よくあっていました。
それぞれの持ち味が活かされています。
どうして求肥なのかなあと思ったら、
このカフェの本店にあたる『御菓子司 かさ國』のクルミ入りの求肥を
使っているのだそうです。

洋と和・伝統と新しいものの美しい調和という感じ。

緑の林に囲まれた国道371号線沿いのお店。
女性が一人で入っても大変落ち着くお店です。
お店の方も親切でした。

2014年07月08日

高野山福智院「遊仙庭」

重森三玲氏の作品「遊仙庭」の写真を載せておきます。
宿坊に泊まらないと撮れない角度の写真です。
不老不死の神仙が住む伝説上の理想郷 蓬莱島が再現されたお庭です。




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高野山福智院「登仙庭」

重森三玲氏の作品「登仙庭」の写真を載せておきます。
宿坊に泊まらないと撮れない角度の写真です。























2014年07月06日

高野山福智院「愛染庭」

福智院の門をくぐって左手に見えるのが「愛染庭(重森三玲作)」で、
ちょうど本堂の前から一直線に庭が広がります。
先日ブログでご紹介したとおり、朝のおつとめの後、
本堂から見た風景は海が割れて道ができるかの如くに思えて、とても素晴らしいお庭でした。
※本堂内は写真撮影禁止ですがお坊様から
「おつとめに参加した方は、本堂から外のお庭の方を撮影して良いですよ。」と
許可をいただいて撮っています。

お庭の横に校倉作りの建物があるので、
その三角の壁がお庭の幾何学模様と対比しても味わいあります。

野暮な解説は無しにして、
いろいろな角度から見た風景、ご覧下さい。


本堂から見た風景















門の方から見た風景






















2014年07月05日

高野山福智院 光る廊下

高野山福智院、宿泊者がチェックアウトした後、
若いスタッフの方がひざをついて、板張りの廊下をぞうきんがけしてました。
両手に2枚。一生懸命。汗かきながら…

入口から左に進んだところの廊下、美しく光ってるでしょ。

2泊したのでわかったこと。
美しさは見えないところで作られてます。

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2014年06月29日

高野山福智院 重森三玲氏のお庭

福智院には重森三玲氏によるお庭を見ることができます。
私が重森氏の手掛けられたお庭を見たのは7年前が初めてでした。
その頃、京都造形芸術大学の通信教育部学生だったのですが、
受講した歴史遺産学のスクーリング授業の中で、
重森氏作庭の京都の東福寺 龍吟庵のお庭を見学したのが最初です。
それまでお寺のお庭というと、大きな石や木々が意味を持って配置され、
砂に曲線が描かれて波の様子を表すといった程度しか認識していなかったのですけれど、
重森氏のお庭は情景が大きな幾何学模様で表現され、
鞍馬の赤石を使ったその色使いもとても印象的で、
モダンな印象を受けたことを思い出します。

さて、福智院の重森氏作庭のお庭は「愛染庭」「蓮菜遊仙庭」「登仙庭」です。
どれも素敵なお部屋でした。
私がいろいろ解説するのも野暮な話ですから、写真を載せておきます。
(たくさんあるので後日、整理いたします)
2泊したのでいろいろな角度から撮ることができました。

2014年06月28日

高野山福智院 朝のおつとめ(2回目)

今朝、福智院で2回目の朝のおつとめ参加してみました。
独特の節回しの声明は、俗世間から仏様にコンタクトするため
特殊な波動を届けるといった感じです。
4名のお坊様の読経は、さながら四重奏といった感じでした。
今日も、明日もあさっても、毎日毎朝続く朝のおつとめ。
10年後も、100年後もきっと続くもの。
人の為に祈り、世の為に祈るということ。
継続した祈りは、何か強い力をもっていくような、そんな気がいたしました。
途中、小鳥が読経にまるで唱和するかのように、鳴いていました。
すごく印象的でした。
何か小鳥が感じとるものがあったのかな。

2014年06月27日

高野山福智院 宿泊の食事

宿泊の楽しみの1つ、食事。
でも「宿坊の食事ってどんな風だろう…」と楽しみでもあり、不安でもあり。

結論として、福智院での食事、どれも私はおいしくいただけました。
肉・魚を使わず、おかずはもちろん野菜で、味付けはマイルド。
奇をてらうような味でもなく、素材が活かされた食事でした。
当日出された夕食の御膳のなかから、
スタッフの方が教えてくださったメニューの一例はこちら。
・南京寒(かぼちゃと寒天)
・豆腐山芋(擬製豆腐…豆腐を一度潰してもう一度作る)
・粟麩
・みょうが寿司
・北海道産むらさき豆
・山菜酢味噌がけ(豆乳の入ったゆば)

いろんな調理法があるのですね。それは文化としても素晴らしいことと思います。
ここでは専門の料理人の方がいらっしゃるのだそうです。
2日目は何品か異なるメニューに変えてくださっていました。
みょうが寿司、初めていただいたけれども、
とってもおいしくて本当にびっくりしました。
夏バテの時にはもってこいですね。

書くよりも写真で見ていただいた方が伝わると思うので、写真をどうぞ。

1日目夕食
私は基本の夕食にプラスして次の膳 という夕食の品数を追加しておきました。
(精進料理はお腹すくかなあと事前に心配でもあり。。。)
ご飯はおひつに温かいごはんが小さいお茶碗に3杯くらい?
精進料理でも、とてもお腹いっぱいになるものですね。

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1日目朝食
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いただいた野菜の命に感謝です。

高野山福智院 温泉

こちらでは大浴場が2か所あってどちらも温泉。無臭でさらっとした感じ。
1つは内風呂と露天風呂とサウナの組み合わせの大浴場です。
ここの奥には椅子とテーブルのそろった休憩室もついています。
お部屋があるから、ゆっくり休憩という感じではなかったけど。
なんだかもったいないですね。(日帰り入浴は受け付けていませんし)

もう1つは「畳風呂」です。珍しいですね。
お風呂の床が畳になっていてお水の切れもよくて、
足元が不自由でつるつるすべる感じが苦手な方には
向いていると思いました。

お風呂は温泉はホテルや旅館と同じくらい、あるいはそういうところよりも良いかも。
24時間利用OKとのこと。
(襖で仕切られたお部屋がならぶ廊下を夜間歩くのはちょっと気がひけるので
深夜には入らなかったけれども…)

観光で歩きまわった後のお風呂はとてもハッピーになりますね。
ミネラルウォーターサーバーが設置されていたり、
ドライヤーが十分風量あるのも嬉しい。
何よりお掃除行き届いています。

高野山福智院 お部屋の様子

まず「宿坊」に泊まるとなると、
どんなお部屋か気になりますよね。
私は福智院のホームページからひとり旅プランを予約して利用しました。
「ひとり旅プラン【一日一部屋限定】禁煙4.5畳和室・朝夕食付」です。
お部屋は20号室。
お風呂は部屋付きのお風呂がないので大浴場の利用となりますが
(元々大浴場希望なのでよいのですが)
専用の洋式トイレと洗面所がお部屋の奥にあります。

鍵はオートロックではなくて、外からかける鍵でもなく、内鍵。
どうなのかなあとちょっと心配でしたけど
通常のホテルの金庫より大きめの感じの金庫があり
B5サイズくらいのノートパソコンとカメラ、お財布などを十分いれることができました。
ですから、貴重品は金庫にいれてしまえば、安心です。
冷暖房完備、テレビもあり。冷蔵庫はありません。

重森三玲氏のお庭のまん前のお部屋です。
それが今回のお宝。と思っています。

ネットは部屋では無理だから、庭の向こう側にある休憩所のところで利用して…とのことで
確かに、最初は部屋でパソコン立ちあげても無線の認識ができなかったのですけど
一度、休憩所で設定して部屋に戻ったらたら、なぜだかお部屋でもネット接続できました。

お部屋の様子1
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お部屋から見える風景
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お部屋へのアプローチと入口
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関西空港から高野山へ行く方法

私は関西空港から高野山へ行ったのですけど
南海電鉄の窓口で「高野山・世界遺産きっぷ」を買おうと思ったら、
これは2日間しか適応されないため、高野山で1泊される方には向きで
2泊する場合(3日間使用したい時)には、向いていないとのこと。
そこで普通に片道切符を買うことになりました。
でも、高野山への電車の乗り継ぎは時間帯によって結構違うため
パソコンで調べなおさなくちゃ…と思っていたら
何と、駅員さんが下記の写真のような乗り換え時間の紙を渡してくださいました。
いつも、こんな風に渡してくれるのかなあ。
これなら、間違えなくてばっちりです。
とても親切に教えてくださいました。感謝、感謝です。
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高野山福智院 朝のおつとめ(読経・法話)

高野山福智院に宿泊し、今朝は6時から始まった読経・法話に参加してみました。
薄暗い本堂の中にろうそくの明かりがいくつか灯され、
明りが揺れながら、4人のお坊様が読経され、唱和される声明によって、
俗世間の空間から結界をはられているような感じがしました。
ご本尊を前に、だんだん異空間が生みだされ、不思議で厳かな雰囲気が漂っていました。
こうした時間に自分の身を置いて朝が始まると
何だか浄化され、リセットされて1日過ごせそうです。

法話の後に、内陣のご案内をしてくださり、また本堂の障子を開けてくださり
重森三玲氏の愛染庭を本堂側から眺めることができました。
これは外からみた感じとは随分違って、本堂から外に向かって、
海が割れて道が開けているようなそんな印象です。
朝のおつとめ参加者の特典ですね!

朝のおつとめは自由参加で、正座が苦手な方は椅子もあります。
出入りも自由で(もちろん静かに)
20名ほどいらっしゃった参加者の中には、海外の方も結構いらっしゃっいました。
それぞれ思い思いに読経を聞いており、ヨガのスカ・アーサナ(安楽座)で
聞かれている方もいらっしゃいました。

明日も参加してみようかなと思います。

高野山 福智院

高野山に来ており、昨晩は初めて宿坊宿泊してみました。
「福智院(ふくちいん)」です。
ケーブルカーで極楽橋駅から高野山駅までバスに乗って、
バス停高野警察前でおりて少し戻ると、福智院に到着です。
ここは800ほど前に覚印阿闍梨により開かれたお寺で、ご本尊は愛染明王です。
お庭から始まる敷地内はよく手入れ、すごく気が整ったところだなあという印象です。
お坊様もいらっしゃいますが、宿泊スタッフの方も大勢いらっしゃり、
どなたも大変人柄がよい感じです。
お部屋は旅館のような雰囲気で、温泉もあって、精進料理をいただけ静かな場所です。

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福智院宿泊に関する詳細を、後ほどいろいろご紹介いたします。