2018年03月15日

事実が心の許容量を超える時

突然の出来事、連日もたらされるお子さんの病状のアンハッピーな話に
とまどいと混乱で自分自身の心が機能停止みたいになって
このままでは自分がどうにかなってしまいそうだって
お話されていたお母様がいらっしゃいました。
自分でもこの出来事にどう向かい合えば良いのかわからなくて
それでも、何とか自分の心を持ち直そうとしていた彼女は
都会のスクランブル交差点の中に身を置いて
目的もなく歩き回ったり…そんな時間もあったそうです。

そんな風に何とか頑張ってみても
病院へ向かう足取りは重いままだけど
医師からは、容赦なく心が苦しくなるような事実を聞かされます。
静かに相槌を打って、医師の顔を見て、
傍目にはきちんと聞いているように見えるけれど
実際心は上の空であったり、言葉が素通りして
さざなみが立つ心の中に残る医師の説明がほとんどない…
そういうことは多々あるものです。
説明に同席できなかったお父様のために
その場では「忘れないぞ」としっかり記憶したつもりでも
説明が終わって緊張の糸が切れると
忘れてしまったり…。

彼女がこうおっしゃっていました。
「人間だから忘れることだってある。
次、聞ける機会を作ればいいんだと思う」

その通りだなあって思いました。
1回言ったから、忘れているあなたが悪い、なんて
医師は思いません。
わかったと思っても、いざ、後になってちっとも理解できていなかった、
そういうことは往々にしてあるものです。
説明を思い出せない自分を責めたり
うまく後で自分の言葉で説明できない自分を不甲斐なく思う必要等ないのです。

理解できないほど、説明できないほど
事実があなたの心の許容量を超えていた、
そういうことです。

だってあなたはロボットではないのですから。

2018年03月14日

自分で道を切り開いた少女

高校3年生の時にとても大きな手術を受けて
その後、あえて1年間の浪人生活を自分で選んだ少女に
嬉しい春がやってきたと教えてもらいました。
術後、とても気持ちが辛かった時期もあるけれど
彼女はそこから頑張った。
そして、今につながっている。

彼女の努力と根性に本当に頭が下がる思いです。
自分の人生、自分で切り開くものだなあって
改めて思いました。

どんな状況であっても、
そこから努力して這い上がっていく人がいる。
その事実は紛れもない事実。

彼女がうんと苦労してきた分、
いや、もっとそれ以上に彼女には幸せになってもらいたい。
切にそう思います。

2018年03月12日

心配するより信じる力

しばらくお子さんの調子が落ち着いていて
ほっとした時間が続いていた時に
突然「あれ?」と思うようなことが起こったら…

そういう時、以前の彼女だったら
我が子のことが心配で、いてもたってもいられない…。
そうだったけれども、今は違うんですって。
我が子の治っていく力を信じてあげようって思うんですって。

送ってくださった写真のお子さんの表情は
調子を崩したとは思えないような
とっても穏やかで良い表情。
太陽のあたたか陽射しが入るお部屋の中で
なんだか気持ちよさそうにお昼寝しているような。
きっとお部屋の中は「信じる気持ち」で満たされているから
お子さんもすやすや眠れているんだろうなあ。
もちろん早く治療を開始されたことの影響も
忘れちゃいけないと、感謝する気持ちもお母様は思っている。

お子さんが長く病気である時、そばにいる親御さんの気持ちのお手当も大事です。
そして起こった出来事を変えることはできないけれど
そこに対して自分がどう心を動かしていくか
それは自分で変えていくことができる。
それは必ずそばにいるお子さんに良い影響を及ぼしていく。
そう、思います。

2018年03月05日

先天性疾患の赤ちゃんは底力を秘めた赤ちゃん

生まれてすぐ医師から大きな病気を告げられたとき
親御さんは「我が子の成長はどうなるんだろう…」と
不安に駆られるかもしれません。

先日お目にかかったお母様、こうおっしゃっていました。
「心配しすぎなくても、その子にあった成長ができていく」って。
ICUでの長い、長い治療、
良くなったと思ったら、ハラハラする場面もまた出てきて…
本当にいろいろあったけれど
そういう風に思えるようになったそうです。

その成長とは身体や運動機能の成長だけではありません。
心の成長も。それは「知育」といった切り口だけではなくて
思いやりとか気遣いとか、そういうところ。

赤ちゃんの頃から何度も大きな手術を乗り越えてきた彼は
弟ちゃんも具合が悪くなって入院することになってしまった。
親御さんはお兄ちゃんに詳しく説明したわけではないのに
自分なりに家の中の様子が何だか変だぞって気付いて
弟ちゃんのこと「大丈夫かなあ」って
一人でつぶやいていることもあるんですって。

本当は親を独り占めしたくて
まだ赤ちゃんの弟ちゃんと
けんかばかりになってしまうお年頃のはずなのに……。


お母様からその話を伺って、お兄ちゃんのこと想像したら
なんだかこっちの涙腺緩んでしまいそうだった。


大きな病気で入院して、治療を受けていても
それは決して、決してマイナスにはならない。
あんなに大変な治療を受けていたのに
あなたはまだ赤ちゃんだったから
たとえお医者さんの話を聞いたとしても
どれほど大変かがちっともわからなかっただろうけれど
大人が聞いたらその大変さはきっと、卒倒しそうなほど。

どこで、どのタイミングで
あなたはその優しい気持ちを育んできたの?


こどもの可能性は計り知れない。
どんな逆境でもそれをいつのまにか糧にして
着実に一回りも二回りも大きくなっていく力を持っている。


大人は自分で考えたり、周りからアドバイスを受けたり
仲間の話を聞いたり、そういうことで
逆境のなかに光を見出そうとしていく。
だけど赤ちゃんはそんなことできないものね。

あるがまま、治療をなされるがままだから……。
その中で成長していく赤ちゃん。

生まれつき、何か大きな病気と共に生まれてきた赤ちゃんは
ものすごく大きな底力、伸びる力と共に生まれて来たんだと思う。

2018年03月03日

1個ずつですね

お子さんの誕生の喜びと無事出産を終えた安堵もつかの間
医師から、あなたのお子さんは数度にわたる手術が必要な病気だ
と聞かされた時…親御さんの頭の中は大混乱。
心配、不安、困惑、いろいろな感情が入り混じった状態。
そして初めての育児、これからどうしよう…。

先日お目にかかったお母様も最初はそうだったけれど
でもご主人と一緒に頑張ってきたんですって。
医師から聞かされる目の前のこと1つずつ、
とりあえずまずはこれを乗り越えよう、って。
そして次にまた何か聞かされたら
その時もまた「これを乗り越えよう」って。
日々、その繰り返し。

「今だから言えるのかもしれないですけど…。」
そんな風に謙遜されますが
もう素晴らしく、本当に素晴らしい女性でした。
やわらかで、穏やかで、
彼女の醸し出す雰囲気は部屋の空間をいつの間にか
平和なムードに変えていきます。
過去にそんな大変なことがあったなんて
何も聞かされなければ、とてもとても想像すらできない。

いくつもの試練、ご主人と一緒に支え合って乗り越えてきたからこそ
今の彼女ができ上がってきたのだと思う。

強くて、しっかりもので、
でもたおやかで。

「1個ずつですね。」
彼女はそうおっしゃっていた。

何と素晴らしい人だろうか。
私よりも20歳以上若い人。
私は20年も前にこんなに人格形成されていただろうか?

いつの時代になっても
「今時の若い人は…」と若い世代のことを軽視したり揶揄する人はいる。
でも今時の若い世代の中に、珠玉のような人がいる。

そんな若い人を前にすると
同じ頃の自分を振り返って
当時自分のことでいっぱいいっぱいで
いろいろな人を傷つけてきたかもしれない(きっとそうであろう)
自分のことを情けなく思ったりもする。

そして、こんな熟年の領域にさしかかって
若気の至りの頃の自分を振り返らせてくれる若い母親から
多くのことを学ぶ日々。


彼女のやさしい笑顔は本当にまぶしかったなあ。

2018年03月02日

医師の後ろ姿に小さく振った手

こどもがおしゃべりする年齢になっても
病気のためにおしゃべりできない子もいる。
そういう時は親御さんは切ないですね。
でも、おしゃべりできなくても
心の成長は静かにすくすくと
気付かないところで進んでいます。
そのお子さんは医師の回診の時、
いつもあったかく声をかけてくれる先生が
お部屋から出て行くときに
その先生の後ろ姿に向かって
小さく手を振っていたんですって。

ベッドサイドにいらっしゃったお母様は
はっきりとその様子を見ていたそうです。

彼の気持ちはその小さな手に
ぎゅーって詰まっていたんだろうなあ。

こどもはお話ができなくても、いろんなことを感じている。
たとえば医師への信頼とか。
自分に注がれている愛情とか。

2018年02月22日

2通りの「仕方ない」

お子さんが長く病気で入院していると
お子さんが不機嫌な様子でずっと過ごすことがあります。
こどもにとっての不機嫌は単に感情を表すだけでなくて
身体の不調を知らせてくれる大事なサインではあるけれど
病状がある程度安定している時に不機嫌が続くと
どう考えていいのかわからなくなってしまいますね。

体調が悪化していることをお知らせしているのではないなら、なぜ?
つまらないから? おうちに帰れないから? 思い通りにならないから?
「仕方ない……」そういう言葉で迷いを片付けてしまうこともあるかもしれません。
言葉で話してくれればある程度わかるけれども
まだ何も話してくれない時期は、親が察するにも限界があって……。

そんな時、親御さんにとってはお子さんと一緒に過ごす時間
とても苦しい思いかもしれません。
自分は成すすべがないような気がして。
でもあるお母様のお話を伺って、一歩違った踏み出しをしてみることも必要だなって
思うことがありました。
彼女は「仕方ない」ではすまさない。
何か理由があるはずだって思って。
でもそこで彼女が始めたのは、お子さんが単に不機嫌になるネガティブな要素の探索ではありません。
たとえ病気であっても、そのお子さんのペースで着実に
移り変わっていく成長発達の過程の現われ、一つなんじゃないかと彼女は考えた。

例えば病気の有無にかかわらず、こどもが通っていくイヤイヤ期。
「うちの子はずっと入院しているから仕方ないんです」じゃなくて
イヤイヤ期の訪れが、ちょうど入院時期に重なっているのなら
それは病気とは関係なく、どのこどもにも起こる通過点じゃないかって。
そしてイヤイヤ期のこどもに親がどうかかわっていくことが
こどもにとってのプラスになっていくかを考え始めたのです。
こどものために自分も勉強しようって。
お子さんがイヤイヤ期で、自分もイライラするんじゃなくて
じゃあ、自分も学んでいこうって思う姿勢。

彼女のその姿勢を知って、すごく心がジーンとしました。

「仕方ない」そう思う時、きっと2通りのトーンがある。
突き放すような、もう見放すような「仕方ないよ!」
もう1つは現状を「仕方ないよなあ」と受け止めながらも
でも、何か改善できることがあるんじゃないか?って思う場合。
彼女は後者のパターン。

彼女は別に不機嫌であることが悪いとか
イヤイヤ期が悪いと否定しているのではありません。
こどもがあまりにも不機嫌なモードが長く続くよりは短い方が、
お子さん自身が心地良くすごせる時間が長くなるし
身体の治りにも影響が出てくる…そう彼女は思っているからだろうなあ。

こどもを理解しようとして、学ぼうとする母の姿。
きっと学ぼうと思う前よりは違ったお子さんの姿が
彼女の目には見えてくるのだろうなあ。

病気であっても、お子さんは成長している。
彼女の姿勢はそれを教えてくれる。

2018年02月19日

力が湧かない時に……

我が子の病状が思わしくない時、
親御さんはいくら気持ちを奮い立たせようと思っても、
うまくいかない時もある。
だって、親だって人間だから。

でも、そのまま心は低空飛行、彷徨った気持ちのままで
こどもに向き合い続けるのか……?

あるお母様は3つ方法を考えているそうです。
いつもの方法をやってみて、
それでもダメなときは2つ目の方法をやってみて
それでもダメなときは3つ目の方法を試してみる。

3つ目の方法は普段簡単にはできない方法なのだけど
さすがにその3つ目をやると、元気が湧いてくるそうです。
たとえ向かい合う病状に好転する変化が見られていなかったとしても
お母様の気持ちは上向きになる。
充電できて、頑張ろうって。

周りから見たら「あのお母さんはいつも前向きだ」「いつも元気だ」
「あの人は特別だから、そんな風に頑張れるんだ」
そう思われているかもしれない。

でもでも、特別なんかじゃない。
気持ちの浮き沈みを日々経験しながら
それでもいくつものやり方で心のお手当をして
前向きな気持ちを維持できている。

無理してわざわざ?
どうして、そこまでする必要ある?
そういう声もあるのかもしれない。

でも、前向きな気持ちでいたいと思うのは
お子さんのため。
めそめそ、泣いているママもママだけど
ずっとずっと泣いてばかりでは
お子さんもどうしていいかわからないものね。
せめて自分から良いパワーをお子さんに
移してあげたいって思っているから。

お子さんの見えないところで泣きはらして
幾通りもの方法で自分の気持ちをメンテナンスする。
彼女のその姿を想像したら、
なんだか心がジーンとしました。

はじめから強い人なんて、どこにもいない。
みんな、見えないところで努力して強くなっていく。


きっと元気になりますように。
新しい治療、それがお子さんの健康を掴み取る
後押しのきっかけになりますように……。

2018年02月16日

赤ちゃんの選んできたプレゼント

それまで病気とは無縁のお子さんだったのに
ある日突然、あれ?と思って、検査して
思いもしなかった病名を告げられたら…
親御さんの衝撃は計り知れないほど大きなものだった。

でもお母様こう思ったんですって。
今こうしていても、病気という事実は変えられるわけじゃないのだから
茫然と立ちすくんでいるわけにはいかないって。
変えるためには前に進むしかないって。
そう思ったのだそうです。
病気なら、治すしかないって。
もちろん最初は涙が溢れたけど。
でも気持ちのギアをしっかり入れ直した。

そして夫婦でお子さんをしっかり守っていくには
「同じ方向、一緒に向いて頑張っていかなくちゃいけない。」
そう思ったのだそうです。
ささいなことで言い争うような、そんな時間はないと。
そしてもちろん親だって人間なのだから
夫婦ともども気持ちは大きく動揺するけれど
相手がダウンしてしまわないように
お互いのこと気遣って、一緒に頑張っていくぞって、って彼女は心に決めた。
それはご主人への強い信頼と愛情が根底にあるのだけど。

そして、どうしてうちの子?
そういう風に考えるのではなくて
この世に生まれ出る時に、赤ちゃんがみんなそれぞれ選んでくるプレゼント、
その中で他の赤ちゃんが選ばないようなプレゼントを持ってきた我が子は
なんてすごいんだろうって思って、
だから赤ちゃんのことみんなで支えて守って
きっと笑顔で退院するぞって誓ったのです。

彼女の話を伺いながら、
何と強くて、すばらしい母親なのだろうと思いました。
強さ、それはへこたれないとかそういう強さだけではありません。
自分の心だっていっぱいいっぱいなはずなのに
お子さんのことを考える心の他に、ちょっとある余裕の部分は
パートナーへの気遣いとか、おうちに残してきているきょうだいのこととか
そういうことでフル回転させている。
彼女の強さはそういう心の度量の大きさに基づくものなんだろうなあ。


新しい治療を始めて、元気になろうね。
あなたのことを家族みんなで待っているよ。
お兄ちゃんもお姉ちゃんも、
みんな協力して、頑張っているよ。
お姉ちゃんは小さいママみたいになって
うちのことお手伝いしてるよ。
お兄ちゃんはママを心配させないように
明るい声で電話に出てくれる。
もちろんママはお兄ちゃんのそういう優しい気持ちも
全部お見通しだけどね。

あなたが元気になったらパパとママは
あなたにきれいな海を見せてあげたいんだって。
みんなで絶対行こうねって、励みにして、
これからの治療、頑張るぞって

きっとうまくいくね!新しい治療。
病気というプレゼントを持って生まれてきたあなたは
1年後、元気になって一回りも二回りも大きくなって
みんなに新しいプレゼントをあげよう。
あなたが元気になって、みんなと一緒に暮らせるささやかな日常
それが一番のプレゼントだから。
ママはそれを何よりも楽しみに待っているよ。

2018年02月13日

意思の力が引き寄せる未来

意思の力は人の運命を変えていくのかもしれない。
たとえ、余命厳しいと告げられた人であっても。

4カ月前、それはあるお母様にとって
人生最大の覚悟を決めた日だったのかもしれない。
もしかしたらこれからの日々は
お子さんの人生、カウントダウンに終始してしまうかもしれないと。

でも、でも

彼女は大事なお子さんがこれからどういう人生であろうとも
今の時間を大事にしようって思った。

そして、思考を変えようと努力していった。

どうして、うちの子だけ?
そんな風にネガティブに、世の中斜めに見るのではなく
いろんなことに「あーありがたいな」って感謝して。
お子さんの周りにある空気の中、
分子一つ一つにも、
ありがとうって、感謝の気持ちが伝わるかのように

そういう時間の積み重ねが、たぶん見えない何かを
突き動かしてきたのだと思う。
それはお子さんを苦しくて、辛いという時間のとらわれから解き放ち
癒しの力をかき集めてお子さんの元へ集約する
そういう何か新たな状況が作られるように。

私が彼女の立場だったら、あんな風にできるかな?
いや、それは無理。
もっと周りを羨ましく思ったり、
八つ当たりしたり、心がとげとげしていたことだろう。

だから、私は彼女のこと、本当にすごいと心から思う。
そしてお子さんと彼女とご家族に
平和な時間とハッピーな気持ちになれる一時が
もっともっと多く生まれますようにと願わずにはいられない。

変われる人って本当に強い。
こうありたい、人は誰もがたくさんの望みを抱えているけれど
そうなるための努力を続けられる人はとても少ない。
できるわけない、とか、できないよと諦めるのではなくて
できるように頑張ってみるか……、
そういう風に頭をスパッと切り替えられる人は
その時点でもうすでに望む方向の道の半分まで
ビュンっと進んでいるのかもしれない。

彼女の話を伺うと、いつもそう私は励まされる気がする。

2018年02月09日

生きる力の芽を育てる夫婦

先日、あるお母様が見せて下さったお子さんの成長記録のフォトブック。
これまでずっと撮りためている写真、その数は
恐らく1万枚は軽く超えているのかもしれない。
その中の選りすぐりの1枚、1枚が
ページを飾っているのです。

この数カ月の1冊は、これまでの数カ月単位で更新してきたフォトブックの中でも
格別な思いの1冊だったと思う。
なぜなら、もしかしたら、お子さんとお別れになってしまうかもしれないと
ご両親は覚悟していた時期だったから。

フォトブックの中のお子さんは
調子悪いのだなあと伝わってくる表情の時もあったけれど
でも、あれ? あらー!というように
だんだん、本当に、だんだんと瞳の奥に力が宿ってきているのがわかります。
不思議な強さです。
入院生活という限られた環境であるにもかかわらず
ご家族がもたらしてくれる極上の良い質の時間によって
お子さんの生きる力の芽が、大事に育ち
いつしかその芽から新しい双葉が開いてきたよ、という感じ。

そして、力を宿したお子さんの瞳のこちら側には
必ずカメラやスマホを持っているパパやママがいるという事実。

シャッターを切る瞬間、
それはパパやママにとっても
心が動いた瞬間でもあるね。
ということは、1万回以上、心動いたっていうこと!


いろんな力を秘めている彼の命は
いろんなことを教えてくれる。


あなたに、もっともっとたくさんの幸せが
降り注ぎますように。

2018年02月06日

夢は叶えるためにある

お子さんが赤ちゃんの時、1万人に1人の病気ですと言われたら
これからどういう人生歩むことになるんだろうと
親御さんは心配や不安が尽きないかもしれません。
でも、お子さん本人は親が感じるような気負いを
感じていないのかもしれません。
生まれた時から、物ごころついた時から
自分はその病気と一緒に生きてきているから。

先日お目にかかったある女性
赤ちゃんの時から、まさにその1万人に1人の病気であったのですが
小学生の時に憧れた夢、
それを親御さんは「やりたいなら、挑戦してみれば!」と応援してくれて
彼女はその夢に向かって頑張り始めたそうです。
それは学校生活と両立させるうえで大変だったけど
それでも「好きだから、頑張れた!」と振り返ります。
そして、いろいろな人の中で自分もその夢に向かって頑張る時
必ずしも楽しいことばかりではありません。
時には苦言を呈されることも。
それでも、彼女はめげません。
「その方が、自分が成長できるから!」

私が学生だった頃、そんな風に思えたかなあ。
無理、無理。
すごく落ち込んだり、嫌な気分になったり、すねたり。
だから、その彼女のこと、とても眩しく思えました。

そして夢に向かって頑張る途中、
自分が思いもしない自分自身と向き合うことになると
「新しい発見ができた!」って思うんですって。

素晴らしいなあ。
彼女の話を聞いて、思いました。
「夢は叶えるためにある」と。
夢を持つことは誰にでもできる。
夢を夢のままで終わらせることは誰にでもできる。
でもその夢を叶えるために努力することは
こんなにも人をいきいきとさせ、成長させるんだって。

1万人に1人の病気
それはもしかしたら、病気と同時に
特別な素晴らしい能力を
1万人のなかの1人として
同時に授けられているのかもしれない。
いろんなことに乗り越えていく力強さ、という能力を。

新しい治療、その話の前には
彼女も足が立ちすくんでしまう様子。
でも、でも。
私は思う。
あなたがこれまで歩んできた道は
一歩一歩とても堅実で着実で
だからこそ、今のいっしょうけんめいで、
チャーミングで、キラキラしたあなたを作ってきた。
そしてこれからあなたが時間をかけて
新しい治療のことを少しずつ理解していけば
きっと、あなたに新たな可能性と道が開くと思う。

あなたがどういう治療の道を選んだとしても
あなたが向かい合う大きな試練と決断が
あなたにより一層の大きな幸せをもたらして
あなたの夢がぐんと近づきますように……!

2018年02月01日

なんとかなる。なんとかならなきゃ、なんとかする。

医師から病名を告げられて
信じられなくて、途方に暮れて…
そんな時、他の家族はどう乗り越えてきたんだろう。

「なんとかなる。」
そういう気持ちで頑張ってきたというあるお父様。
そう思っても、それ以上に大変な状況が起こってきたとしたら…
と尋ねてみると、何の気負いもなくサラッとおっしゃいました。
「なんとかならないのなら、なんとかする」のだと。


「なんとかなる。」
「なんとかする。」

そのお話を伺って、すごく心の中がジーンとしました。
そして思わず何度も心の中でそれをつぶやいてみた。

どんなことが起こっても、
気持ちの中で、希望を見出すことが難しい時でも
そのまま、そこで絶望するのではなくて
「なんとかならないんだったら、なんとかする」
それは開き直りではありません。
決して、言葉遊びなんかでもありません。

「なんとかする。」
そのためには自分は何ができる?
お父様のそういう思考はとても力強くて
素晴らしいなあと思いました。

私はそのお父様の年の頃、
はるか昔のことになってしまうけれど、
そんな風に強く、たくましく、問題に向かい合えていただろうか?
いや、いや、とてもそんな強さはなかった。
すごいなあ。
一本心の芯柱がすーっと立っている。
無理しているわけでもなく、
きっと今まで生きてきた姿勢の積み重ねが
今の瞬間に集結しているのだろうと思う。

清々しい笑顔と共に、
「なんとかならないなら、なんとかする」とおっしゃったお父様。

お子さんに起こった病気
もちろん当初は本当に気持ちが揺れたそうですが
本来の強さを取り戻せたのは
我が子をとにかく守りたいから。
そしてショックを受けている奥様のこともしっかり守りたいから。

お子さんのことも、奥様のことも
しっかり、しっかり守って
いつかお子さんが元気になって退院できる幸せを
もう手の中に掴み取っているように思いました。

強く思い描く幸せ像に近づくために
「なんとかなる。なんとかならなきゃ、なんとかする。」
そのお父様、本当に名言だわ!

どんなことが起こっても、
そこでくじけるのではなくて
そこから這い上がって行こうとするお父様。

お子さんがどうか元気になりますように。
そしてお父様のぶれない心の芯の強さが
これからもますます増していきますように…



あなたが元気になったら
パパは家族みんなで冬の雪山にも夏の海にもでかけて
元気いっぱい楽しく遊べることを願っているよ。
パパはスポーツの達人だから、きっとあなたもびっくりしちゃう。
そしてパパみたいに溌剌とスポーツができるようになるだろうね。
きっと。
そうなれるように、今は踏ん張り時。
一日、一日、頑張っていこう!
きっと元気になれる、って信じてね!

2018年01月27日

言霊の力

医師からお子さんの病状が厳しい状態であると説明を受けて
親御さんはがっくり。これからどう希望を見出して良いかわからない……
そんな時、親御さんだって人間だから、
気持ちを奮い立たせることがなかなかできない。

そういうところから這い上がって、
今はスキップしたいような気持ちで
お子さんの待つ病院に向かえるようになったお母様。
一体何が起こったのか?

それは価値観を大きく変えたことが転機になったのだそうです。
毎日「OOちゃん、今日も絶好調だよ!」って言い続ける。
もちろん世間的な絶好調の基準なんかじゃありません。
医学的に見たらきっと絶好調とはとても言い難い状態。
でも、そのおうちでは絶好調の基準を下げたんですって。
うちにとっての絶好調、を見つけて。
元気いっぱいが100%としたら20%でもう十分、絶好調だって。
「OOちゃん、今日も絶好調だよ!」そう言うと
お子さんは「フフ」って笑ってくれるんですって。

医師は悪いところを見つけて、それを治すのが仕事。
だから医師から説明がある時に、どうしてもその内容は
「どこが、どう悪いか」の説明に終始してしまう。
でもそのお母様はこう考えるんですって。
「何か1つでも良いこと(正常範囲内のこと)があるはず」
それを自分で見つけ出す。
検査結果の中から何か1つでもないかと。
自分で分からない時は、医師に尋ねてみる。
そしてお子さんの耳元で
呪文のように唱えるんですって。
「今日は△△は良かったんだって。良かったねえ。絶好調だね!」

パパやママはお医者さんから話を聞くといつも泣いていて
自分がうちに帰れないのは、自分のせいなんだ、
パパやママがベッドサイドで悲しい顔をしているのは
自分のせいなんだ、そんな風にお子さんが思うのは
絶対に嫌だと思ったから、
そのお母様はいつもお子さんを明るい言葉で包むんですって。
お子さんが「自分はもう駄目なんだ」って思いながら
人生を終えることになってしまうのは嫌だから
「パパやママが絶好調って言うんだったら、大丈夫だよね」
って幸せな気持ちで過ごしてほしいって思ったから。


そのうち段々、お子さんの病状が安定していって
ますますそのお母様は自分が持つポジティブな気持ちと言動が
我が子の命を守っているんだって確信できたそうです。
もちろん緩和医療の先生が細やかに治療を調整してくれるから
お子さんの病状が安定していること、
それもお母様は重々承知です。
その先生に厚い信頼を寄せている。

余命を告げられていたお子さん。
だけど、無事にお誕生日も迎えられた!


決して現実逃避しているんじゃない。
お子さんに嘘を言っているわけでもない。
現実をどう捉えるのか、それを変えただけ。
それぞれの認識が変わることにより、生まれ出る感情も変わっていった。

自分の世界は自分の認識が作り上げていくもの。
改めてそう思いました。そして言霊の力も。


居心地の良い雰囲気の中に入ると、
何か心が落ち着いて、楽しい気持ちになっていきます。
それは大人だけでなく、こどもだって全く同じ。
その居心地の良さを作り出せるのは親御さんなんだと思う。

薬とか医療行為、それは病院に任せよう。
だってそれが病院側の仕事なんだから。
「親は何もできない」そんな風に思わないで。
まだまだできることはたくさんある。
親だからできることがある。

絶好調だね!
そうお子さんに言えるのは親だもの。

そのお話を伺いながら、じーんとしました。

どういう雰囲気に包まれてこどもが過ごすのか。
どういう気持ちのままこどもが過ごすのか。

2018年01月22日

今日の一歩とつながる未来

それまでの人生、自分の幸せの追求よりも、他人の幸せを目指して
いつも努力家で、前向きで情熱を持っていたお母様。
でもお子さんの病気、普段聞いたこともないような
病名を告げられた時、これから先の道程を考えると
思考回路がとまって、途方に暮れてしまう…。
「どっちを向いていいかわからない」そう涙した彼女の気持ちは
本当に心から正直な気持ちだと思う。

そういう時は、心の中に湧き上がってくる気持ちは
溜めこまないで話してしまおう。

そして目の前にあることを、一つずつ、文字通り
一つずつやっていけば、必ず道は開ける。



それは私自身の経験からも言えるのです。
5年前、私も同じような気持ちになりました。
そして手術が終わって数日経った時、
妹が不思議な経験をしたことを教えてくれました。
私がまだ20歳の頃に、10日ほどの闘病で亡くなってしまった
私の父親からのメッセージが届いたのだ、と妹は言いました。
一つずつ、やっていけば大丈夫だと。
テレパシーのようなそういう感じで送られてきたメッセージ。

その言葉を聞いた時、
これからどう考えていいかわからなかった自分の心から
暗雲がすーっと晴れていったような気がしました。
そして、迷った時は「一つずつ」それを思い出すようにしました。
一つずつ何かクリアしていくと、
それは自分の自信につながっていきます。
それは決して大層な自信とかそういうものではありません。
自分は何一つ越えられないように思っていたところに
「ちょっとずつなら、もしかしてできるかも?」
そんな風に思える、そんな小さな小さな感情です。


すべての物事は小さな要素で構成されています。
まるで点描画のように。
その一点、一点がいずれ時を経た時に大きな絵になっていくのです。
今日の一歩は決して小さな一歩ではない。
あなたとお子さんが踏み出した一歩は
「治る」という結果、成果に一歩近づいたということなのだから。
それはとても大きな、そして着実な一歩なのだから。

医師から提示されるいくつもの選択肢。
その中であなたがこれだ、と思えるものを選べばいい。
もしも一つしか治療がなかった場合、
そこに不安があるならば、とことん医師に質問すればいい。
そこで理解と納得と合点を得たあなたは
以前のあなたよりも数段パワーアップして
お子さんのそばに寄り添うことができるのだから。

あなたの人生、きっとその半分は
他人の幸せを追求するために身を捧げてきた人生。
あなたはあなたの利益を追求するのではなくて
誰かの幸せのために力と時間を費やしてきた。
そういう生き方をしてきたあなたを、私はとても尊敬する。
と同時に、あなたがこれまで行ってきた他者への善は
これからあなたとあなたのお子さんが幸せになれるように
何百倍もの御恩返しとして力を伴って返ってくると思うのです。
過去のあなたが未来のあなたを助けてくれるのだと思うのです。

2018年01月21日

泣いても治るわけじゃないから…

お子さんが1万人に1人の確率の病気だと
もしも医師から言われたら
「どうして我が子が……」と
信じられない気持ちと愕然とする思いが交錯することでしょう。
初めはその事実が受け止めきれなくて
どうして、どうしてと涙で自問自答を繰り返したお父様。

でも、いつしか「どうして?」と考えなくなったのだそうです。

「泣いても治るわけじゃない。
 じゃあどうしたら治るか、それを考えるようになった。」

誰かに言われたわけでもない。
こうしろ、ああしろと押し付けられたわけでもない。
自分で自然に。
苦悩の時間を重ねて、涙が枯れるほど泣いたから
そういう境地に達したのかもしれない。

そのお父様、とても凛としていました。
悩んで、落ち込んで
見つけ出した道だから、
生まれてきた強さなのだと思う。

仕事でどんなに忙しくて、大変で、疲れていても、
家にいる時は、こどもに向き合う時間を大事にするのだそうです。

「仕事で外に出ている間、こどもの世話をしているのは妻ですから」

はにかむような笑顔でそうおっしゃったお父様。
そんな風に普段自分の知りえない奥様の大変さも
ちゃんと考えていたわる気持ちがあるお父様。
強さの裏には大きな優しさがいっぱいです。


新しい治療、きっとうまくいく。
あなたが元気になっておうちに帰ってくることを
お兄ちゃんも待っているからね。
そしておうちに帰ってきたら
お兄ちゃんは、お気に入りの絵本を
あなたにいっぱい読んでくれるよ。
お母さんやお父さんがお兄ちゃんに読んでくれたように。
あなたに読んでくれるよ。
どうか元気になりますように。

2018年01月16日

覚悟が生み出す新たな境地

医師からお子さんの病状について厳しい説明が行われた時
親御さんは頭の中が真っ白になってしまうけれども
でも、たとえばその話によって自分が潰されてしまうのではなくて
そこから親御さん自身が気持ちを仕切り直しするって大事ですね。

医師の説明に対して「とても自分はそういう見方を納得できない。
もっと違う見方があるんじゃないか?」
そんな気持ちが沸々と湧き上がるってくるのも事実。
でも医師の説明を全面否定するというわけではなくて
「ある視点から見たらそういう見方(可能性も)もあるんだな」と
淡々とそう考えて、「そんなに悪いんだったら、
今この状況で幸せになるためにはどういうことができるか?」という
考え方を持つことは、自分の潰れそうな心のバランスを保つうえで
必要なことかもしれません。

あるお母様が教えてくれました。
「陰の覚悟を持つと、陽の覚悟ができる」のだと。
名言だなあと思いました。


医師の説明によって「命は有限である」という事実に
あらためて気付かされ、ふと我に返った時
じゃあ、自分たちに残された為すべき、目指すべきことは
「もっと幸せになること」
そんな風に大切なものがはっきりしてくると
雑踏の中に突然放り込まれたような気持ちから
いつしか静寂と光が訪れるのかもしれない。
そして前向きな境地が開けてくるのかもしれない

そして今手の中にある幸せ、
うっかり見過ごしてしまう小さなものまでもが
とてもよく実感できるのだろうと思います。


そのお母様、優しさと凛とした強さが同居しているのは
陰の覚悟と陽の覚悟のおかげなのかもしれない…と思いました。

お子さんとご家族にもっともっと幸せが感じられる時間が
増えますように…。

2018年01月13日

天国の砂

精一杯頑張って、旅立った後のお子さん、
何年たっても、その悲しみが色あせることは決してないけれど
あなたは決して一人ぼっちじゃないから。

あなたの心に辛さや苦しみの穴が開くたびに
お子さんは天国から急いでやってきて
天国の砂を穴にせっせと詰めてくれているはずだから。
あなたが元気になった時には消えてしまう天国の砂。

だから、悲しい時はうんといっぱい泣いて
その後は、お子さんがリュックにいっぱい砂を詰めて
スコップ持って、あなたの所にやってくること想像してね。



Rちゃん、ママのことしっかり守ってね。

2018年01月12日

食がもたらす自信と笑顔

食べた物は身体を作る、その事実はとても当たり前のことだけど
お子さんの病気の治療中、その影響で食欲が落ちてしまって
なかなか食が進まない時の親御さんの心は
一口、一口にはらはらしてしまいます。
あと、もう一口食べてくれたらなあ。。。

そんな思いで病院の栄養士に相談したお母様。
お子さんが食べれそうなメニューに変わって
お子さんがそれを食べたことを、嬉しそうにお話されていました。
大事ですね。専門職への相談は。
食べ物の持ち込みが許可されていない入院施設では
病院から出される食事は文字通り、こどもにとって、命をつなぐもの。
もちろん栄養満点の点滴はあるだろうけれど
やっぱり、自分の口から食べる食事は格別だものね。
栄養だけでなく「今日は食べれたぞ」っていう自信を
生み出してくれるものね。
お母様が一歩、踏み出したことによって
栄養状態の改善だけでなく、お子さんの自信ややる気を
促してくれることにつながるものね。
昨日と違う今日、そういう自分にお子さんは
気付けるものね。


食は基本。
だけど、案外ないがしろにされがちかもしれない。
どんな治療をするか、新しい薬を使うか……
そういうことばかりに気をとられてしまうけれども、
食べて、寝て、遊んで、学んで
こどもはそうして大きくなっていく。

あるお母様のお話を伺って
その基本中の基本に立ち返ることができました。


新しい治療、きっとうまくいく!
あなたが元気になることを、みんな応援しているよ。
元気になったらトーマス乗りに行かなくちゃね!

2018年01月05日

医師からもらった立ち上がる力

それまで元気だったお子さんが
あれ、風邪ひいたのかな?
そう思ったいたら急に具合が悪くなって
病院も次々転院しなければいけなくなって
これは現実なのか、夢なのかと
とても受け止めきれない時
医師から手の施しようがない、と言われ
愕然としたご両親。

そんなお母様が気持ちを切り替えられたのは
ある医師の言葉がきっかけだったそうです。
唯一の手段として説明されたその治療法
そこに踏み出せば、希望が見いだせると思えたそうです。
「ああ、もうこれしかない…」じゃなくて
「ああ、まだこれがあるぞ!」っていう発想ですね。
そこからは、とにかくポジティブに、ポジティブに過ごそうと
されていました。驚くほどに。
とても数日前、絶望の淵に立っていたとは思えないほどに。

後でその医師にお話を伺ったら
何か特別な励ましの言葉などを伝えたわけではなくて
医師として治療の説明を行っただけなんだけどなあ…。という感じ。
でもきっとそこには、お子さんを救いたいという医師の真摯な気持ちや
一生懸命さや誠実な実直さが伝わったんだと思う。
決して飾る言葉をちりばめていたわけではなくても。
むしろそんな言葉が必要なのではなくて
治療に伴うポジティブなことも、ネガティブなことも包み隠さず話して
でもネガティブなことがあったとしても、
それを覆していく治療法もあるのだということもちゃんと話して。
その子の命を救うために医師は最大のリスクを背負いながら、
それでもそこに挑んでいくのだから。

この医師に我が子の命の行く末を託せるのかどうか……
それはやっぱり実際に会ってみてその場の空気感で
心の中に湧きあがってくるものだと思う。
そこで気持ちが固まれば、あとはみんなで一緒に
元気になることを心に掲げて頑張るのみ。

そういう医師との出会いは、お子さんと家族にとって
何より大事だと思うのです。


お母様の笑顔、溌剌としていました。
我が子の回復、自分たちはしっかり手につかむぞっていう気持ちが
溢れていました。

新しい治療きっとうまくいく!
お兄ちゃんもあなたの帰りを待っているよ。

2017年12月26日

真理に立ち返って生きる力を得た少年

今日はとても嬉しい。
すごくすごく嬉しい。
東京の空は雲一つなく、青く澄み渡っているのだけど
そんな清々しい気持ち。
なぜならYくんのお誕生日だから。
2カ月とちょっと前、Y君のご両親はY君に残された時間が
ほんのわずかだろうと医師から告げられた。
ご両親が選んだのは医療機器に囲まれた
先進的な医療が受けられるICUではなくて
そばで落ち着いてゆっくり過ごすことのできる病棟での時間。
ご両親が目標にしたのはまずは1週間。
どうか週末が越せますように……って。
そんな風に心の中で願いながら。
彼等が過ごした時間は絶望と悲壮感漂う時間ではなく
とてもとても心あたたかな時間。

もちろんそこにはご両親の覚悟があったからできたこと。
悲しい涙の時間でY君の人生の時間を包むのではなくて
あたたかな時間で彼を守っていこうって
覚悟を決めたからだろうなあ。

Y君のご両親は今の一瞬、一瞬を大事にしていった。
そしていろんなことに感謝して、いろんな喜びを感じていった。
「目の前にもうある事や物や人を大切にしていると、
自然と良い未来が向こうからくるのかもしれません。」
お母様のメールにはそう綴られていた。
手のひらの上にある幸せに気付ける人は
手のひらの上にもっともっと幸せが舞い込んでくるんだろうなあ。
幸せを引き寄せる力を持っているのだと
彼女の姿勢、発言から私はいつも気付かされる。

週末を越せますように……
そう願い続けて、迎えた今日のお誕生日。
ああ、なんて素晴らしいんだろう。

この前、病室を訪れた時、Y君に声をかけたんだ。
「Yちゃん、あなたは本当に素晴らしいよ!」って。
足をもぞもぞしていたから、気持ちは届いたかな。

Y君ご一家にたくさんの幸せとあたたかな時間が
これからも積み重なっていきますように。

人は変わる。
変われる人は強い。本当に強い。
医師からの説明で凍りつきそうな心のままで
ご両親がもしも、とどまっていたら
きっと今のY君の時間はないだろう。

Y君、あなたのママは
あなたがこれまで歩いてきた道にお花がたくさん咲きますように…
そういう思いであなたとお別れになるかもしれない時間をスタートしたんだよ。
でも、今は看取りの時間なんかじゃないね。
あなたのとても大切な人生の時間。
看取りなんていう形容詞はちっとも似つかわしくない。
あなたの人生にはお花が咲くどころか、
世界中のいろんなところから祝福してくれる神様や天使が集まって
あなたを支える不思議な力があなたを包んでいるようだね。

Y君、お誕生日おめでとう。
本当に嬉しい。
あなたの命はキラキラしている。
他人はこれを奇跡と呼ぶのか?
いや、世間一般では「奇跡のようだね」と言うのかも。
でも奇跡なんかじゃなくて、現実。
じっとしていたらたまたま、夢のようなラッキーが起こったのではなくて
Y君とご両親とお兄ちゃんがみんなで一緒に手にしている現実。

高血圧に関係あるレニンという酵素の遺伝子の解読に成功し、
イネの全遺伝子暗号解読も行われた村上和雄先生は
この世界は科学だけでは解明のつかない
「サムシング グレート」によって司られていると説かれている。
そして人間の遺伝子はスイッチがONになっているものと
OFFになっているものがあって
自分の気持ちや行動によってその働きをスイッチONにできるのだと。
Y君のご家族の関わりはきっと悪くなる方向へ進むスイッチをOFFにして
良くなる方向へ進むために必要な遺伝子のスイッチをONにしたのだと思う。
そう考えるとやっぱり奇跡なんかじゃない。
人間の身体の本来有るべき望ましい姿、
真理に立ち返るためのサポートを
ご家族はやっていたことになると私は思う。
Y君の生きる力、それが神々しく見えるのは
そのせいかもしれない。

小さなこどもの生命力は、本当に深い教えに富んでいる。

2017年12月21日

キラキラしたエネルギーに包まれている女性

とても大きな手術を経て、
時には気持ちがへこみそうなこともあった彼女。
頑張ることに疲れてしまったこともある彼女。
でも様々な試練を乗り越えて
彼女は今、元気になっている。
自分の夢に向かって今は1日1日頑張っている。
そのはじけるような彼女の笑顔を見ながら
脳裏にはいくつかの場面が思い出され、
とてもジーンとしてしまった。

彼女は本当にキラキラして、
神々しいほどに生きるエネルギーに満ち溢れていた。
これまであんなに苦労した彼女。
思春期の女の子にとってそれはたまらなく大きな試練だったと思う。
だから、どうかもっともっと幸せになってほしい。

そして自分の夢を1つずつ叶えてほしいなあ。

赤ちゃんの頃から大きな病気を抱えて生きているこどもたち
決して悲観しないでほしい。
いつかはあなたも、あんなに素敵なレディになるほどの成長を遂げるのだから。
こどもの内に秘めているエネルギーって
本当に素晴らしいなあ。

2017年12月20日

もしも逆風があったとしても

お子さんの治療、
もうこれ以上何か新しい選択肢を選ぶことは
とても厳しいと言われた時、
不確実な未来よりも今確かに目の前にある現実の幸せを
追求することはごく自然な選択だと思うし、
とても大事なことだと思う。
でもそれじゃだめだと思う人もいるんだなあ。
現実から逃げた、と思うのだろうか?

確実な幸せを積み重ねていくことは
実は確かな未来を引き寄せていくことにつながると思うのだけど。
何を選択するか。それはそのこどもと親の自由。
どういう選択をしても
その子にとって一番の幸せを願って選択したことは
他人がどう思おうと一番の正解だと思うのだけどね。

その他大勢の人が選ばない方法を選ぶ時、
必ず逆風はつきものなのかもしれない。
でも、その逆風は今の幸せを積み重ねていくことによって
いつしか逆風の存在さえも感じることもないように
変わっていく。

あなたとお子さんが心惑わされずに
自分の選択を正解にしていけますように……。

私もかつて自分の治療でそういう経験をしたことがあるから。
そして5年経った今、その選択が本当に正しかったと言えたから。
だから逆風に惑わされないでほしいと切に思う。
あなたが悩み抜いて出した答えなのだから。

あるお母様のお話を伺ってそのように思いました。

あのお子さんとご家族にもっともっと幸せな時間が増えますように。

2017年12月16日

信じる力が生み出したもの ―辛さを乗り越える力を身につけた母

とても大きな手術を経てICUからようやく一般病棟へ移って
ほっとしたのもつかの間、今度は別の手術が必要になったり
コードブルーの館内放送がかかって
山あり谷あり、はらはらする日が続いたけれども
それでも、こどもの生きる力はすごい。
すっきり晴れた青空の良いお天気のもと、
おうちで家族水入らずの生活をはじめることができて良かったね!

こうして嬉しい退院の日を迎えられたのは
信じる力があったから。
お母様が我が子の生きる力を信じていたから。
そして、母自身の力も信じて頑張ったから。
お母様からのお手紙に綴られていた言葉。

母自身の力って何なのか?
それはどんなに我が子が苦境になっても、
そこから逃げないで、ママはあなたと一緒に頑張るわよ、っていう
辛ささえも手放さない力のこと、なのだと思う。
心の中は大雨なのに、ぐっとこらえて
心が壊れそうになりながらも
何とか頑張ってきた彼女。
その彼女がこらえきれずにポロリとこぼした涙は
本当に切なかったね。
でも、でも、彼女は辛さを手放さない力を
いつのまにか難局を乗り越えていく力へと変えていったのです。

お母様、最初にお目にかかった時よりも、
何十倍もしなやかに強くなっていました。

あなたがあんなにニコニコしてご飯を食べている姿
あの時のお母様には想像すらできなかっただろうけれど
辛かった日々は、いつか懐かしく思い返す日々へと変わったね。

これからは後ろは振り返らないで前を見る、っておっしゃった
お母様の笑顔がすごくすごく輝いていました。

そして我が子の看病を通して様々に知った経験を
これから同じような立場のこどもやご家族のために
何か還元していきたいと思うようになったのだそうです。
彼女とお子さんのお話は
絶望の縁すれすれに立っているご家族にとって
きっと希望の光になると思う。
信じるって大事だなあと。

信じたら、それだけで良くなるのか?
それじゃあ、治療なんていらないじゃないか?
そういう意地悪な見方をされるかもしれない。
でも、でも。
考えてみてください。
信じることによりその人自身の行動が変わってくる。
お子さんにかける言葉が変わってくる。
人が作り出す雰囲気、空気感が変わってくる。
それは医療の力でどうにかできる範囲を超えたところ。
そしてその雰囲気、空気感の中でお子さんが過ごすということ。
つまり信じるということは
医療の良い力をサポートしたり、加速させるために必要で
何よりお子さん本人にとって居心地の良い空気感の漂う病室を
作ってあげるということ。

入院中、自由に外出ができないこどもにとって
何となく気まずい病室の雰囲気の中でずっと寝起きするのか?
それとも、明るいトーンの中で過ごすのか?
もしもあなたがそのこどもと同じ立場だったら、
どちらを選ぶ?

信じるってそういうこと。
昨日よりは今日、今日よりは明日、
ちょっとずつ良くなっていくことを信じること。
そして昨日よりは今日、今日よりは明日
もしもちょっとずつ悪くなっても
きっと何日か先にはトータルで見たら
良くなっていくって信じること。

こどもの生きる力はすごい。
小さな小さな身体だけど、そこに秘めているこどもの生きる力は
大人の余計な邪念を払いのけてくれるほど。
それをあなたの小さな背中は教えてくれた。

ようやく待ちに待ったおうち。
パパ、ママと一緒にあなたがすくすく大きくなりますように。
これまで辛かった日が健康なこどもよりも何十倍もあったから
だからこそあなたには、これから幸せが何十倍もありますように。

2017年12月13日

間接的な支援が誰かを幸せにするということ

親御さんのどちらかが働きに出て、
もう一方が家にいる(専業主夫・主婦)の場合、
お子さんと関わる時間が長いのは、
家にいる方の親であることは自然の成り行き。
働きに出ている方の親がどんなにお世話したくても
お子さんと接する時間が少ないのは仕方ないですね。
とは言え、ジレンマを抱えてしまう。
どうしたらいいんだろうという方も多いことでしょう。

先日、あるお父様のお話を伺って「そうか!」と思うことがありました。
その方曰く、妻は自分よりも圧倒的に長い時間、子の世話をする、
だから自分は妻がどれだけハッピーに過ごせるかをサポートする。
それによって妻はハッピーな気持ちで子の世話をすることができる。
つまり妻をサポートすることが、
実はこどもをしっかりサポートすることになるのだと。

別に気負った感じもなく、
自分にとってごく自然な当たり前のこととして話していたお父様。
そのお話を伺いながら、何だかすごく心があったかくなりました。
限られた環境、条件の中で自分たちが幸せを作っていく、
そういう力強さを感じました。
男性も育児休暇がとれる職場なら、
父親が十分子育てに関わる時間もとれるでしょう。
でも現実的にそう恵まれた環境の人ばかりではない。
たとえば少人数の自営業や、フリーランスの人、
自分が休めば仕事を代わってくれる人がいないという時、
休めばそれだけ仕事は滞り、収入も滞るわけですから。
ですから上記のお父様の考えは、すごく理にかなっていると思いました。

私が30代の頃、某外資系企業で10年ほど会社員をしていた時期
そこでノルウェー出張の際、現地スタッフ(男性)に
こどもが生まれたという話題で和気あいあいと話をしていた時
彼は育児休暇をとる、と話していたのでびっくり。
ノルウェーではこども一人に対して取得できる育児休暇週数のうち、
その中でも父親がとらなくてはいけない週数があるから
男性が育児休暇を取るのは、至極当然の話だと言っていたのです。
そして「僕のこどもだしね。」「彼女も働いているし。」と
これまたさらりと。
同僚も「頑張れよー」みたいな感じで。

そしてデンマーク出張の際は朝の9時から会議が組まれていた時に
なかなか現地スタッフ(男性)が現われないので
どうしたのかなと思っていると
会議は始まって30分位経ってようやく顔を出したスタッフ。
別に焦っている様子もなく、悠然と「保育園にこどもを送ってきたから。」
周りの人も「当然でしょ」って感じで。
日本人の感覚だと、会議に遅れないように
早目に保育園に送るという発想だと思うけれども
それは国が違えば考え方も違う。
デンマークの朝と夕方、会社周辺の道路には
こどもを自転車に乗せた親が結構いました。
それも日本みたいに自転車の前、後ろに乗せる椅子タイプじゃないのです。
私がこどもの頃放映されていたTV番組「キカイダー」に登場する
サイドマシンみたいなタイプ。(今の若い世代は知らないかもしれない。。。)
バイクにリヤカーみたいなものが横付けしてあって
そこにこどもが座って居るのです。楽しそうに!
こどもにとっても乗っている最中の安定感はあるんだろうなあ。
走っているのは車道横の自転車道だから、
車道の波の中で右往左往というわけではないし。

話はちょっとそれてしまったけれども
自分が直接できない時に、間接的に関与して
結果的に物事がうまく回るようにする、
それは育児だけではないですね。きっと。
いろいろな場面に当てはまる考え方だと思います。
そう考えると、自分があるのも今直接的に関わる
誰かのおかげだけではなく、
目に見えていない間接的な誰かのおかげであること、
それをそのお父様の言葉が気付かせてくれた。

あのご家族、どうかもっともっと幸せになりますように!

2017年12月11日

長期入院するこどものきょうだいの成長

病気でなかなかおうちに帰れないお子さんにとって
面会に来てくれた兄弟姉妹と病室で過ごす時間は
かけがえのない時間ですね。

でもそれは普段おうちで生活している
きょうだいたちにとっても、同じこと。
熱心に看病する親御さんの背中を見て
時には自分だけ仲間外れになったような
そんな気がするかもしれないけど
時々病室に来れると、入院しているきょうだいの現実を
こどもなりに知ることができるから。
そして、病室で交わすささいなやりとりが
いつかかけがえのない思い出になっていくから。
いろいろな場面でこどもの心はたくさんのことを吸収していく。

あるお母様のお話から、強くそのように思いました。

お兄ちゃんの姿が成長して見えたのは
背が伸びただけじゃない。
心も随分成長しているからだよね。

今週もあのお子さんとご家族にハッピーなことがたくさん起こりますように!

2017年12月06日

あとは登るだけ

今迄お子さんがいろいろな治療にトライしてきて、
それがその時の最善の選択であったにもかかわらず
あまり思わしくない状況だった場合
これからどうしよう…と希望を見いだせない時もあるかも。
どん底のような気分になるかもしれません。
でもあるお母様はこんな風に考えるそうです。

「あとは良くなるしかないから。」
「あとは登るだけ。」

そうかあ。
シンプルだけど、すごくずしんとくる言葉。

「良くなっていくための環境づくりを整えるのが親の役割」と思うお母様。
それはお子さんが治っていくぞと強い力を秘めているって信じているから。

そしてあるがままの姿を受け容れると気持ちが楽になる、って教えてくれました。
ご自身のこれまでの苦しい経験の中から見出された言葉。
そうだなあ。そうできないから、そのギャップに人は苦しむ。



これから始まる新しい治療、きっとうまくいく!
そして元気になったらお兄ちゃんと一緒に海に遊びに行こうね。
ママはあなたの元気になる姿を強く心に思い描いて、ママも頑張っているよ!

2017年12月04日

こどもの緩和医療が引き出す力と成長

2017年10月3日のブログ「こどもにとって緩和医療とは何か」
私の考えるこどもの緩和医療のあり方として
「お子さんがより心地良く過ごせる時間をどんどん増やしながら
その人本来の力を取戻すためのきっかけを作っていくための医療」
「現状の中でも精一杯生きようとする力をより強く引き出していくことにつながる」
と書きましたが、まさにその通りだなあって
改めて確信できることがありました。

今週も無事1週間過ごせた、そう思って迎える週末。
その週末を何度も積み重ねていくうちに
だんだんお子さんが調子よく過ごせる時間も増えて
そしてだんだん成長してるぞっていう様子も表情に現われてきて…
闘病中であるにもかかわらず見せる成長。
こどもって本当にすごいなあ。
大人から見たら小さな身体だけど、その小さな身体の中には
大人が想像できないすごい力が秘められている。
大人の何万倍もの力。
強靭で、逆境にも負けない力。
その力はご家族の愛情いっぱいの看病によって
本来の力以上に加速して身体の中を立て直している感じ。
こどもの緩和医療、それがきちんとしっかり行われると
本当に本当にこどもの原点に立ち返って
その子の原点の力を引き出してくれる医療なんだと思う。

あるお母様から届いた嬉しいお便りから
そのように思いました。

どうかあのお子さんとご家族に
今週もまたハッピーなことがたくさん起こりますように!

2017年11月29日

医師に対する信頼が生み出すもの

お子さんの長い入院生活が続くと、
面会に来られる親御さんも、医療従事者の働きぶりを目にする時間が長くなります。
そんな時、スタッフとの関係が馴れ合いとかになるのではなくて
何か心に新風が吹きこめるようなそんな存在だといいですね。
先日お目にかかったお母様は、ある医師の姿や言葉から、
我が子を治そうという強い情熱や意気込みを感じられて
とても信頼を寄せられると思えたのだそうです。
大変な治療であっても、子と一緒に頑張っていけると。
そして、ご自身も我が子以外にもこどもと関わる職業の方だから
自分もその医師の姿勢から学ぶものが大きいって思えたそうです。

日々の時間の中でそんな風に感じられるといいですね。
親が医師に信頼を寄せるかどうかによって、治療内容が変わるわけではないけれど
お子さんのベッドサイドで交わされる医師と親との関わりの中で
生まれる空気感がお子さんにとても良い空間をもたらすような気がするから。
そうした空間の中で過ごすことは少なからずお子さんの細胞に
じわじわと良いものが浸透して頑張れよーって応援してくれるような気がするから。

先日のお母様のお話からそのように思いました。

新しい治療、きっとうまくいく!
そして元気になったらお兄ちゃんと一緒に楽しく遊ぼうね。
お兄ちゃんも首を長くしてあなたのことを待っているよ。

2017年11月27日

真心込めたお世話が生み出す幸せなひととき

真心込めたお世話や、愛情の力って
神様に願いが聞き届けられるのだなあ。
そう思えることがありました。
神様と言ってもどなたか特定の神様というよりは
宇宙の摂理とも言うべきでしょうか……。

もちろん行われている緩和医療が
そのお子さんの病状にぴったりあったものだから
お子さんが苦しくなくて、ぐーぐー眠れて、
起きている時も微笑んでいられる時間が得られるのだろうと思う。

でも、そこに更に拍車と磨きをかけているのは
やっぱり親の真心込めたお世話と愛情なんだと思う。

あるお母様のお話からそう思いました。

医師から厳しい話を受けた時
彼女が選んだのは、諦めの日々ではなかった。
医学的には確かに「そういう状況」かもしれないけれど
彼女はそういう我が子と過ごせる「今」の時間を楽しもうと思ったのです。

どうしてうちの子が?とか
悲しい、辛い…とか、もちろんそういう感情はあるだろうけれど
そうした感情を無理矢理封印したわけではありません。
そういう感情を感じる時間があったら
もっと別の感情でお子さんと自分との時間を充たそうと
思ったのかなあと思います。
悲しい…ってがっくり肩を落とす時間があるならば
その分、少しでもお子さんが幸せになれるような工夫を考える時間に回したくて
今の自分は何ができるだろうって頭をぐるぐる廻らせて
よし、これだ!って思ったことを実行に移している。

それは、真心込めた母の贈り物。
たとえこれからの時間が短くても、
あるいは医師の見立てよりもっともっと伸びても
時間の長短が問題なのではないのです。
だって短くても長くても、そのお子さんが一生懸命生きている証なのだから。

「人生で今が一番幸せ」ってはっきり口にできる彼女。
「今」を感じられる人はこれから先、時間を重ねて
「今」が「過去」になっても、幸せを感じられると思う。

なぜならそれは降って湧いたような幸せではなくて、
彼女が自分が探し出して、自分で生み出してきた幸せだから。
揺るぎのないものだから。


今週もあのお子さんとご家族に
ハッピーな時間がたくさん増えますように!

2017年11月21日

知らないところで、見えないところで。

お子さんの病気の治療、とても病状が厳しくて
現代医学の叡智を集めても、治すことを目指した治療法が
もう見つからないと医師から告げられた時、
親御さんの落胆は計り知れないものがあります。
でも、そんな時、何とかその可能性がないか、
あるいは今は無理でもこれからの未来に向けて
何か治る方法につながっていく糸口はないかと
医師が心を砕いていることを
親御さんに知ってほしいと思います。

治すための方法がないからといって
あなたのお子さんを医師は見放した訳ではありません。
お子さんの治療の手段がないと判明しても
それでもなお、どうにかならないものかと
思い悩んでいる医師はいるのです。
お子さんや親御さんに直接声をかけなくても
お子さんと親御さんがどうか心安らかな時間を過ごせるようにと
心の中でひっそり祈りつつ、
現実の壁、医師としての限界に苦悩されている医師もいるのです。

お子さんとあなたは決してひとりぼっちじゃない。
あなたの知らないところで、あなたの見えないところで
あなたとお子さんのことを思っている医師もいるのです。

それをあなたにどうか知ってほしいなと思って。

知らないところで、見えないところで。
お子さんとあなたが見守られているのだから。

2017年11月20日

空間から癒しの力を集結させる母

長い間お子さんが調子が悪い状態が続いていると
いつまでこの心配が続くんだろうって途方に暮れるかもしれないけれど
そういう状態でもお子さんの中に小さな変化があります。
それはもしかしたら、毎日長く接している親御さんよりも
普段頻繁に会わない第三者の目の方が
そうした気付きが得られるのかもしれません。
気持ちが行き詰まる時は
そういう新風を心の中に吹き込むと良いかもしれません。

こどもの生命力ってすごいなあ。
言葉ではうまく説明できないけれども
その存在に神々しい力が宿っているような
そういう気がしてならない。
今行われている緩和医療の良さが最大限力を発揮して
親御さんの放つあたたかいオーラによって更に相乗効果を得て
お子さんの生きる力は身体の奥底から引き出されているのだと思う。
どちらか単独でも、もちろん効果はあるのだろうけれど
それが重なり合うことによって
想像以上の生きる力を発揮しているのだと思う。

それはどういうこと?
側で見ているのが痛々しい…そんな時間を
お子さんが過ごしているのではなくて
平和な時間でお子さんが過ごせているということ。
寝ている時もお子さんがぐーぐー気持ちよさそうに過ごせていること。

覚悟と決意によって自分の思考癖を
ポジティブに変えていくように努めている親御さん。
それによって本当にすごい力が生まれ、実際に起こっている。
何か癒しの力を空間から集結させるような力。

人の感情は自分自身の認識、思考癖によって生まれてくるもの。
それを変えて、積み重ねていく時間が
お子さんの人生を一日、一日作っていく。

あるお母様のお話からそのように思いました。


今週もあのお子さんとご家族にハッピーな時間がたくさんありますように!

2017年11月15日

悲しいよりも……寂しい。

「悲しいよりも……寂しい。」
それはお兄さんとのお別れをして1年を迎える頃の
ある妹さんの気持ち。

でも彼女は、今お兄さんは楽しく過ごしているって
思えているんですって。
お兄さんの魂は、大好きな趣味の仲間が集まる場所に
自由にあちこち出掛けているって……。

だから自分は寂しくても、
お兄さんが楽しく自由に過ごせているなら
それはそれで、いいかあ…って思っている妹さん。

あなたのこと、お兄さんがしっかり強く守っているよ。
厳しい入院生活が本当に長かった分
お兄さんは今、自由に行きたいところに出かけて
やりたいことを存分にやって
充実した時間を過ごせていると思う。
そして充実すればするほど
そこで生まれた湧き出る力を
あなたを守る力へと向けていると思うよ。

お兄さんが1年前に亡くなった妹さんのお話を伺って
そのように思いました。

私はお兄さんに直接お目にかかることはできなかったけれど
あなたのお話してくれた活き活きしたお兄さんの姿は
私の心の中にしっかり記憶されたよ。

妹思いで、あなたの良き仲間で、良き同士だったお兄さんの姿を。

2017年11月13日

「余命」と誉れ高き命「誉命」

医療は日進月歩と言いますが、100年前も今も100年後も、
やっぱりその時、その時の限界はあるものです。
でも、医療に限界はあったとしても
人間の心の持ちようには限界はないんだなあって
あるお母様のお話から思いました。

とても、とても厳しい状況だと説明を受けて
心の覚悟もしなくては、という時に
人は心の持ちようで過ごす時間が変わってきます。
そうした心を持ち続けていると
何か見えない力がいろんな良い時間の流れをかき集めて
やがてそれを集約して望ましい安らかな道を作っていくのだと思いました。
お花も生えていない石と土と岩がごろごろの細い道だったはずなのに
今では沿道には秋の草花が咲き、実がなり、地面はふかふかの落ち葉が土を覆い
小鳥が鳴いて、広がる青空には時々ぽっかり雲も浮かんで
ただのんびり散歩するだけでも、
心安らぐ楽しい道へと変わっていくのです。

だからこそ、周りにいる大人が今できることに感謝したり、
小さな喜びを見つけ出して大きな喜びへと変えたり
そうした日々を積み重ねていくことによって、
お子さんの歩む道を整えることにつながり
その雰囲気がお子さんにも強く染み渡って、
不思議な力を生み出すのかもしれません。
お子さんを守る慈愛の力。
とても苦しいはずだろうに…
大人はそう想像してしまう時に見せるこどもの安らかな寝顔。
お子さんを守る慈愛の力が発動しているからこそ、
安らかに過ごせるのだろうと思います。

眠っているように見える時にも、魂は軽やかにお散歩しているのだから!

余命(よめい)何日、そういう話が出ても
それを誉れ高き人生「誉命(よめい)」に変えていく家族の心の取り組みが
こどもの緩和医療の医学的な恩恵を最大限に引き出すことにつながるのだと
お母様のお話から、確信いたしました。
誉命って言葉はそもそもなくて、さっき頭に浮かんだのだけれど
そのお子さんはまさに誉れ高き人生、誉命を生きているのだなあって思いました。


今週もあのお子さんとご家族にハッピーな時間が増えますように!

2017年11月06日

魂の居心地の良さが引き出す奇跡的な力

魂の居心地の良さは、病状が厳しい状況のお子さんにとって、
本当に大きな安らぎをもたらすのだなあと思いました。

小さな小さなこどもは正直ですね。
体裁を気にしたり、偽りの言葉を発することはないから。
その表情には本当の気持ちが素直に表われてくるから。

親御さんがお子さんのそばで「お子さんが今日できていること」を見つけて
それに感謝して過ごすと、その空間は驚くような質の時間を生み出すことにつながり
お子さんにとって奇跡的な力が引き出される……。
あるお母様のお話から、そのように思いました。

それはいったいどういう仕組みなんだろう。
宇宙の摂理? 神様の計らい?
何がどうなっているのかわからないけれど…

奇跡じゃなくて、それは当たり前なのかもしれない。
当たり前が当たり前じゃなくなってきたから、奇跡のような…と思うだけであって。

だけどやっぱり、悲嘆に暮れてしまいがちな時に、
日々、光を探して喜びを感じて過ごすことは
本当に大きな力を生み出す、ということは間違いない事実と思います。
その力とは「治る」という定義とはまったく別枠。
病気が決して治っているわけではないけれども
「今の状況よりも、もっとより過ごしやすい状況になる」状況へ近づく力。

あのお子さんとご家族に今週もハッピーな出来事がたくさん起こりますように…!

2017年11月03日

現実を受け容れて、強くなる父

待望の我が子が生まれた喜びもつかの間、
重い病気があると聞かされた時、愕然とした父。
とても信じられなかったけれども
お父様は変わり、一歩を踏み出しました。
そして誰よりもお子さんのことを愛して
一生懸命お世話をするようになりました。

病気は現実なのだから
そのショックをいつまでも引きずっていてもしょうがない、
このまま引きずっていたら、どこか自分に弱みができて怖くなる、
と思ったのだそうです。
だから気合を入れて、現実を受け入れて、
しっかり育てていきたいなと思ったのだそうです。

そしてそれは奥様の影響もありました。
奥様だって、本当は産後体調がまだまだだし
ショックも大きいのに、
弱音を吐かないで頑張っている奥様の姿を見たら
自分も頑張らなきゃと、思ったのだそうです。

頑張る、と言ってもその内容は壮絶でした。
ここまで、本当にご夫婦二人で力を合せて努力してきたんだなあと
心がじーんとしながら、お父様のお話を伺いました。
そして、このお父様なら
お子さんも、お母様もみんなで一緒に頑張っていける!と
強く思いました。


これからの新しい治療、きっとうまくいく!
そして元気になって、パパとママと海に行こう!
パパはあなたに見せてあげたいんだって。
美しいあの海を。

あのご家族にハッピーなことがいっぱい起こりますように!

2017年10月31日

奇跡のような時間を掴み取るきっかけ

どんなに医師から厳しい話を受けても
それがすべての終わりじゃない。
自分の気持ちを切り替えて
今、自分に何ができるか。
今、何によってお子さんが楽しくなれるか。
それを突き詰めて、頭に浮かぶことを1つずつ
親御さんがやってみる。

その積み重ねがお子さんの大切な
そしてあたたかな人生の時間を作り出していくんだものね。
先端的な医療とか、臨床試験とか、そういう最新の何かをトライできなくても
奇跡のような時間を掴み取るための第一歩
それは、案外皆、足元にあるのかもしれない。
素朴だけど、シンプルだけど「お子さんへの親の愛情」。
それはどんなに厳しい病状の中でも
お子さんの秘めている生きる力を引き出すきっかけになるもの。

あるお母様のお話から、そのように思いました。
そのお母様の話を聞くと、人間の可能性って
本当にすごいなあって、しみじみ思う。

そして幼くして重い病気であるこどもの人生は
すべてが病院に始まり、医療によって人生が作られるのではなくて
こども本人と親・家族が自分たちの意思を反映して
彼等が自分たちで作るものなんだなあって
つくづくそう思う。
それは当たり前のことだけれども、実際入院生活が長いと
なかなかそれが当たり前にできなくなることもある。
だから、そのお母様の話は心底、すごいなあって感動する。


どうかあのお子さんとご家族に
もっともっとハッピーな時間が訪れますように…。

2017年10月27日

小さな気付きの始まり

お子さんが急変した時、たくさん集まってくる医療従事者、
お子さんのベッドから離れたところで
お子さんの様子を見守る親御さん。
そんな時、親御さんは自分を無力だと感じるかもしれない。
「自分はこどものために何もできていない…」と。

でも「あれ?何か変。」「何かいつもと違うなあ。」
そういう親御さんの気付きが
お子さんを救うきっかけになったのです。
その気付きは決して小さなものではないのです。
それがすべての始まりになったのだから。

医療処置は医療従事者に任せれば良い。
だって、それが彼らの仕事なのだから。
気付きがどれだけ大きな力を持っていたか
どうか忘れないでほしい。
そしていつもお子さんをずっと見守っていた
親御さんだからこそ、小さな変化でも
見逃さなかったのだろうと思う。


あなたは無力なんかじゃない。
あなたは何もできていなかったのではない。

あなたの気付きが、
あなたが「何か変。先生を呼んで!」と頼んだことが
本当にすべての始まりになったのだから。
あなたの気付きは本当に素晴らしかったのだから。

あるお母様のお話を聞いて
そのように思いました。

お子さんが一歩ずつ、着実に元気になれますように!
お子さんも頑張っているよ!
ママの見守る祈りを生きる力に変えて!

2017年10月24日

覚悟が生み出す慈愛の時間とこどもの可能性

積極的な治療を進めるか、
緩和的な治療を進めるか、
そのどちらであっても、ご両親が
お子さんにとって一番良いと思われる方を選んだのだから
それはお子さんにとっての大正解なのだと思います。

だけど、どちらを選んでも
やっぱりその途中で
親御さんは自分たちの気持ちが大いに揺れることもある。
選んだ方の治療が良かったのか、そうではなかったのかと。

だけど、あんなに嬉しそうなお子さんの笑顔、
その瞬間、瞬間が生まれてくることが
迷いにとっての答えになるのだと思います。

現代の医学の最高水準で考えて
これ以上の治療は難しいなと思われても
親の注ぐ愛情と
愛情の作り出すあたたかい時間と環境は
奇跡のような時間を作り出すこともあるのだと思いました。

それは奇跡と言うよりも
起こるべくして起こっているのかもしれないけれど…

他の人から見たら、どんなに大変な状況だろうと思われることも
親御さんの意識の持ち方で過ごす時間が変わってくる。
そこから生みだされる環境は、医学だけでは決して作り得ない環境。
誰も予想し得ないこどもの生きる可能性を育むものが
親の愛情なのかもしれない。

その可能性とは「生かされている」のではなくて
「活き活きと生きている」と言える時間を過ごせること。

可能性を生みだす愛情は
親の覚悟によって
心を改めて仕切り直して
生み出されたものだから、
揺るがない強さを持つのかもしれない。

慈愛に満ちたあたたかな時間で過ごせるって
こんなにもこどもの可能性を引き出すのだなあと
あるお母様のお話からしみじみ思いました。

小さな身体の命は
とても大きなことを教えてくれる。

彼の笑顔がもっともっと、続きますように。
あのご家族がたくさんの幸せと共に過ごせますように。

2017年10月19日

お子さんの看病中の親御さん、時には気晴らしも必要です!

お子さんの治療、なかなか先が見えない時、
親御さんはこれからどうなっちゃうんだろうと不安がいっぱい。
でも、そういう時はあなただけがそう思うのではなくて
家族みんながそう思っているのです。

だから、気晴らしに出かけるときは
家族みんなでできることをすると
家族の中のモードが一気に変わる場合があります。
今、どんなに大変な時でも
それを乗り越えたら、あとで振り返った時
懐かしい思い出になります。
お子さんが大きくなった時に
「あの時、みんなで頑張ったんだよ」って
お話できるように…
今は気晴らしも大事な大事なプロセスです!
だから「こんな時に、不謹慎かも…」なんて
後ろめたく思わないで
ONとOFFしっかりつけていきましょう!

だって親御さんだって人間なのだから。
ずっと緊張とネガティブモードの中で過ごしていると
いつか親御さんがばててしまう。

先日お目にかかったお母様のお話から
そのように思いました。

親御さんの心の体力は
自分たちで作れるのだから!

2017年10月18日

こどもの生きる力

医師からあんなに厳しい話をされたら
ご家族は毎日がもう、悲しくて涙ばかりで
お子さんに会う時に気分が沈みがちかもしれない。
一緒に過ごす時間が、もしかしたら
いたたまれないと感じるかもしれない。

だけど、日々一日、その時間の中で
親としてできることを一つ一つ
たとえ小さなことでも見つけて
一つずつ実践して
お世話できることを
「楽しくて仕方ない」って
ポジティブ思考に変えているお母様。

ご家族みんなの醸し出す
ポジティブな雰囲気のお部屋の中で
お子さんはどんなに嬉しいことだろう。
厳しい話をされた時よりも
お子さんはとても心地良く過ごせている。

きっとご家族の愛情のなせる技。
どんな治療よりも、何よりも
そういう時間でお子さんを包むことが
生きる力を引き出してくれるね。

家族みんなでお子さんのために描いてくれた絵。
病室の壁は、あったかさでいっぱい!!!

お子さんとご家族が
穏やかでハッピーを感じられる時間が
もっともっと続きますように…

2017年10月16日

言葉にならない笑顔の行方

医療者が患者さんのご家族を気遣い
言葉をかけ、いろいろ尋ねたとしても
大変さを表すような表現が
ご家族から返ってこないことがあります。
その代わりに穏やかなほほえみと会釈が返されて
その場が終わるかもしれません。


そういう時、
「大丈夫です、私達!」という方もいらっしゃいます。

でも実はそうでないこともある。


胸が詰まってしまい
言葉が出てこないから
ただ、作り笑顔で黙っていた…
そういう方もいらっしゃるのです。


もしも笑顔の背中がとても寂しそうだったら
その裏に、隠されている
言葉に出来ないほどの苦悩の存在を
見過ごさないでほしいなあ。


先日あるお母様の話を伺って
そのように思いました。

お子さんの治療の中で
いろんなことが山あり谷あり。
落ち込む心を引き上げるのは大変だけど
ひとりぼっちではないからね。
あなたのことを心配して
何かあなたの役に立ちたいと思っているけれど
どうすれば良いのかわからなくて
ただ、できるのは見守ることだけ…
そういう人が必ずいるのだから。

途方に暮れた時は、周りを見回してみよう。
ひとりぼっちの闇の中で
孤独の殻に閉じこもらないで…。

2017年10月03日

こどもにとって緩和医療とは何か

医師からお子さんの治療の選択肢として
「緩和医療」を挙げられると
親御さんは、戸惑う気持ちがあるかもしれません。
「どういうこと?」
「もう治ることを目指した治療をしないってこと?」って。

でも、私が個人的に思うのは
緩和医療とは「将来を諦めて選ぶ」医療ではなくて
「お子さんがより心地良く過ごせる時間をどんどん増やしながら
その人本来の力を取戻すためのきっかけを
作っていくための医療」なんだということ。

いろいろな厳しい治療を耐えてきた身体。
緩和医療を選ぶことは
こどもたちの「現状の中でも精一杯生きようとする力」を
より強く引き出していくことにつながると思います。
人間本来の、生きていこうとする力を。

緩和医療を選ぶことは
決して諦めではありません。
決して、お子さんを見放したのでもありません。
お子さんの幸せって何か
その原点に返った時に、選ぶ道の一つだと思います。
だから、緩和医療を選ぶことによって
親が自分を後ろめたく思わないでほしいです。

心地良く過ごせる時間が増えることによって
お子さんの身体にみなぎるもの
その可能性を信じていく治療
それがこどもにとっての緩和医療だと思うから。

あるお母様のお話から、そのように思いました。

お子さんとご家族が
心地良く過ごせる時間が増えて
これから新たな希望を持つことができますように…。

2017年10月01日

時間の流れが助けになるとは?

お子さんを亡くされた後、始まる新しい生活。
ぽっかり穴が開いたようで、それでも朝は始まり、続く日常の時間。

人によっては無理にでも外に出ることによって
自分は救われたと思う方もいらっしゃいます。
でも、流れる時間の中で自分だけが置き去りにされたような
そんな気持ちになる方もいらっしゃいます。
なかなか新しいことに踏み出せなくて。
踏み出す力も湧いてこないし、そうしたいと思わないし。
そういう時は、亡くなった後のお子さんと
心の中の対話が十分持てていないことが大きい印象を受けます。

お子さんのことをよくわかっている誰かに話す、
でもそれがいつもできるわけではありませんね。
ご家族の間でも「辛くなるから話したくない」と思う人もいれば
「もう前を向いて生活しなくちゃ」と思う人もいれば。
家族からそういう言葉が返ってくると
「家族にさえも、もう自由に話ができない」って
すごく閉塞感を感じるかもしれません。

そういう時は日記で自分の思いを綴るも良し、
お子さんにお手紙を書くも良し、
あるいは、心の中で自問自答するも良し。
お子さんへの語りかけを繰り返すうちに
最初の頃の気持ちと、だんだん気持ちが変わってくることもあります。


もし、あなたがこの世の人生を終えた時
お子さんがあなたを迎えに来てくれた時、
あなたはお子さんに、どんなこと、お話できますか?

あなたと共に過ごせなかった時間を
お子さんは「それから、それから?」って尋ねてきた時
お子さんの顔が曇るようなことしか話せなかったとしたら…
そこで悔やむのはきっとあなただと思うのです。

お子さんが亡くなった後の感情について
「時間の流れが助けになった」と言う方もいれば
「時間が解決するわけではない」と言う方もいます。
もちろん時間の流れによって、お子さんが亡くなった事実や
その時の感情が風化されるわけではありません。
でもどうして「時間の流れが助けになった」と言えるのか?
もしかしたらは、時間がただ過ぎていった…というわけではなく
時間の流れのなかで
「それから、それから?」の続きを
お子さんが笑顔で聞けるような生き方をしようと
努めていたのかもしれません。


無理に何かしようとする必要はないけれども
機が熟した時に、踏み出す一歩。
そこでは必ずお子さんが背中を押してくれているはずです。


これから新しい一歩を踏み出そうとしている
お父様のお話を伺って、そのように思いました。

2017年09月29日

「今日はついてるなあ」を探すママ

お子さんが入院している時、医師からの説明、
決して嬉しいニュースばかりではありません。
そういう時、どうすれば良いのでしょうね。


あるお母様は日々の時間の流れの中で
「今日はついてるなあ」って思うことを
見つけるんですって。

なんだか、じーんとしました。

どんなニュースが聞かされても
それはお子さんの医学的なある一点を
説明しているにすぎないものね。

お子さんは、その一点だけで現わされるものではなくて
ママと一緒の時間に見せるいろんな姿も
それもお子さんの大事な一点だものね。

お子さんのすべてはレントゲンや採血データや
モニタリングで現わされているわけではないものね。

お子さんが笑ってくれた。
お子さんと一緒に絵本が読めた。
お子さんが声を出して歌うことができた。

たとえ病状は重くても、今日は起きていて
面会時間、ベッドサイドで笑顔を見せてくれた。

ああ、ついているなあ。ラッキーだなあ。


そんな風に思えると
見える世界の色は変わってくるのかもしれない。

医師の説明の後、お子さんの横で
どーんと落ち込んで、ぼんやり過ごす1時間
あるいは「今日はついてるなあ」を探しながら過ごす1時間。


無理に気持ちを矯正する必要はないけれど
大雨の心の中に、小さな光を見つけて過ごすことは、
とても、とても大事なことだと思いました。



神様、どうかあのご家族に
もっともっとたくさんの
「ついてるなあ」をもたらしてくださいますように…

2017年09月25日

不安と辛さの向こうに待つ笑顔

朗らかで、にこやかで、爽やかで
とても素敵な印象のお母様。

でもしばらくお話を伺った後、
堰を切ったようにこぼれ落ちた涙は
彼女の心の奥底に押しこめていた
辛い気持ちの現われでした。

それだけ辛かったのだものね。
できるだけ周りに心配かけたくなくて
ずっと隠してきた気持ちだものね。

さっきまでの笑顔がすっかり消されてしまうほど
涙されていたお母様。


でも、先日「こんにちはー」って声をかけてくれたお母様は
清々しい笑顔でいっぱいでした。

お子さんの治療、新しく取り組み始めて数日
自分の中でいろんな不安や迷いや怖さが
だんだん取り払われて、
何か一つ、突き抜けたような
そんな印象を受けました。

あなたの決意とあなたの勇気が
お子さんの命をこれから支えていくよ。
山あり谷あり。
でも、少しずつ良くなっていくお子さんの力を
信じてあげよう!

ぺこりと身体を折ってエレベーターに向かわれた彼女の姿が
とても凛々しく見えました。

どうか彼女とお子さんとご主人に
幸せなことがいっぱいありますように…!

2017年09月22日

自分が立ち返る場所

お子さんが思いもかけない病気と診断され
入院が長期にわたり、
様々な治療が行われる中
これからどうなるんだろうって親御さんは不安でいっぱいですね。

あるお父様、こうおっしゃっていました。
「その時考えられる自分の、最大の決断をしてきた」
決断するとともに、最大限頑張って、努力してきたんですって。

だから過去を振り返っても
ああすれば良かった…って後悔することはないのだと。
その決断の時に揺るがない信念があるんですって。
「自分が家族を守る」っていうこと。
そこがすべての出発点で、
それに対して自分は何ができるか、って考えるんですって。

気骨あるお父様の言葉
しみじみ、すごいなーって思いました。

こういうお父様と一緒だったら
これからどんなに大変な時期でも
お子さんは一緒に頑張っていけるね。

新しい治療、きっとうまくいく、いく!

2017年09月20日

気持ちの舵取りは自分自身

たとえどういう状況であっても
これから先のことは誰にもわからない。

だけど、お子さんがどんな時であっても
足元をとらわれることなく
気持ちを切り替えて
新しい目標を持って進もうとするお母様。
お子さんもどれほど心強いことだろう。


彼女のそういう健気な姿と言葉に
じーんとしました。

気持ちは周りから強制的に変えられるものではなくて
自分で変えていくものだものね。

それだけは、自分自身が舵取りできるものだものね。

2017年09月18日

亡くなったこどもの昂揚感を受け継ぐこと

夢半ばにして旅立ってしまったお子さんのことを考えると
どうして? どうして?
答えの見つからない疑問が頭の中を埋め尽くして
一日をぼーっと過ごしてしまうこと
あるかもしれません。
そういう時間が重なると
親御さんは自分の身体と心を保つための事柄が
疎かになってしまいがちです。
食べたり、休んだり、眠ったり、出かけたり、身体を動かしたり
今迄は意識しなくても、普通に行っていた事柄が
ちゃんとできなくなってしまう。

でも、そういうモードになっている時
親御さんにお子さんはこう声をかけたいと思うのです。
「自分を大切にしてほしい」

どうやって?
大切にするって、どういうこと?

それは人それぞれだろうけれど、
心充たされる瞬間を作っていくことが
「自分を大切にすること」なのだろうと思います。
そうした瞬間を重ねていくことが
とても大切なのだと思います。

夢半ばにして、道半ばにして…
そういう悔しさでいっぱいになった時
思い出してほしいことがあるのです。

あなたのお子さんが当時夢を抱いていた頃の昂揚感を
受け継げるのは、あなたしかいないということを。

別にお子さんと同じことをしてほしいと
言っているわけではありません。
お子さんの胸の内にあった昂揚感を
親御さんそれぞれのやり方で、それぞれの形で
絶やさず受け継いでいけば
良いと思うのです。

無気力になって落ち込んで、
何もしたくない、何も始めたくない、
どこにも出かけたくない、誰にも会いたくない、
もちろんそういう時期は大切だし、必要ではあるけれど
それを何年もこの先、続かせるべきではないと思います。

それはお子さんの昂揚感の炎を
あなたが小さくして、
あなたが消し去ってしまうことに
つながるかもしれないから。

あなたのことをお子さんは必ず見守っています。
もう一度、生活を立て直そうと思っているあなたのことを。

先日、お目にかかったお母様のお話を伺って
そのように感じました。
どうかご自分のこと、大事にしてください……。

2017年09月06日

繋がる場所から

お空に還った命。
あなたに直接会うことはできなかったけれど、
あなたのママから伺ったお話と
ママのスマホに入っていたたくさんの写真から
これまでどれだけあなたが、頑張ってきたか
おばちゃんは知っているよ。
パパもママもお兄ちゃんも
みんなであなたの命をとても大事に思って
守っていたことを知っているよ。

あなたが病気とわかって、
大きな手術も乗り越えて、
本当にいろいろなことがあったけど
あなたが元気になれた時もあった。
そのあなたの笑顔と成長ぶりに
ママはどれほど救われたことか。

でも、あなたの頑張りが
うまく形にならなくなって来た時
ママはどれほど辛かっただろう。

あなたが苦しくならないように
ママはお医者さんにいろいろお願いして
家族で過ごせる時間を大切にしたよ。
一分でも長く、そばにいたいなあって。
でもどうか痛いこと、苦しいことはしないでって。
心の中でたくさん葛藤しながらも
あなたと一緒に過ごせる時間を何より望んでいたよ。

ママの愛はあなたが一番よくわかっている。
あなたのママはひまわりのような朗らかさと
やさしさのオーラでいっぱいの人だってことも
あなたが一番よくわかっている。

だからこれからは、
あなたが空からママのことをしっかり見守ってほしいのです。
パパとお兄ちゃんのことを見守ってほしいのです。

ママは星野源さんの歌が好き。
だからFamily Songという歌
ママにお届けしたいです。

「ただ 幸せが
 一日でも多く
 側にありますように

 悲しみは
 次のあなたへの
 橋になりますように
 遠い場所も繋がっているよ」
 (Family Song  作詞・作曲:星野源)

ママとパパとお兄ちゃんが
しっかりと生きていけるように
見守ってね。
生きている世界とお空の世界は
繋がっているものね。