2014年05月14日

キトラ古墳壁画の天文図に託された思い

先週金曜日、東京国立博物館で開催されている特別展「キトラ古墳壁画」と
博物館敷地内にある東洋館の「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」で
開催されているバーチャルリアリティ作品「キトラ古墳」に行ってきました。
そこでとても印象深かったのが、VR作品中の石室天井の「天文図」でした。
世界最古級だそうです。
星を表す金箔は赤い線で結ばれ、星座が彩られていました。
一目で北斗七星とわかるものもありました。
いくつかの赤い同心円と星座を見ていたら、
まるでプラネタリウムに来ているようです。空には線はありませんから。
本当の星空にはない、意味のある世界を作りだしたかったのかもしれないなあ。
それは人が亡くなった後、魂は天に帰り、地に残された身体には魄(はく)が
宿っているという道教の魂魄(こんぱく)思想と少し関係があるのかも…などと
考えていました。
古墳の中に閉じ込められた魄に明りをもたらし、怖くないようにと、
慰めるために天文図が描かれたのであれば、石室の壁画制作は
伝えきれなかった思いを具象化し、届ける手段と言えるのかも。

詳しくはこちらに書きました。
先立ったお子さんとご家族のために
魂と死後の生〜様々な思想〜 
「天文図に託された思い」
http://www.lana-peace.com/2/2-3-029.html