2014年05月08日

中村芳中「月に露草図扇面」

先日訪れた千葉市美術館の「光琳を慕う―中村芳中」展示より
印象深かった絵のご紹介です。

82 中村芳中, 月に露草図扇面(18〜19世紀, 紙本着色, 一幅, 24.0x65.7cm, 個人蔵)
露草のO字型雄しべと葉脈が金泥で描かれています。
光の具合でちょっと角度を変えて見ると、金色の発色が美しく、驚きました。
芳中の時代は室内で天井から煌々とした明るい蛍光灯をつけたわけではなく、
薄暗い室内の床面に行燈を置いたり、ちょっと高さのある燭台のろうそくに
明りを灯していたはず。
その明りの高さとこの絵の掛けられた高さによって、きっと夜になったら金色が、
随分変わって見えたのだろうなあ。
一枚の絵が、いろいろ変わる。粋な計らいですね。
posted by Lana-Peace at 00:14| アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸