2014年05月04日

「方祝」印「橋に蝙蝠図」

先日訪れた千葉市美術館の「光琳を慕う―中村芳中」展示より
印象深かった蝙蝠(こうもり)の絵のご紹介です。

39 「方祝」印, 橋に蝙蝠図(18世紀, 紙本淡彩, 一幅, 124.5x44.2cm, 根津美術館)
帯状金泥が絵の横に引かれているそうですけど、
ピンクとオレンジが混ざったような実に良い風合い。
夕焼け空と橋の下の川の色とが一体になって、
どこからどこまで空で、
どこからどこまでが川なのかわからないのですけど、
掛け軸を丸められた時の絵の折れ具合の線が、
またそれはそれで空と川の様子に一興を投じているかのようです。
夕暮れ時の平安な空気感が、滲み出ているかのようです。
会場の中で何度も戻って見てしまったのですけど、
今回一番、味わい深く、時間の奥行きが感じられる絵でした。

根津美術館所蔵ってことは、根津に行けばまた見れるかな…。
posted by Lana-Peace at 20:51| アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸