「親と亡き子を繋ぐ「後瀬」への思い」を執筆時、
当時の人物の官職任命等を知る上で参照したのが
『続日本紀』だったのですが、原文を読みつつも
宇治谷 孟先生の『続日本紀 全現代語訳』に
随分助けられました。
そんなある日『続日本紀 全現代語訳』下巻の
巻末ページをめくっていた時のこと、
「あとがき」があまりに衝撃的で、
思わず手が止まってしまいました。
それは輝千代夫人による宇治谷先生の訃報のお知らせから
始まっていたのでした。
実は下巻の現代語訳途中で宇治谷先生が交通事故により他界され
その後、輝千代夫人が宇治谷先生の遺された草稿や資料類を元に
2年の歳月をかけて下巻刊行にこぎつけたことが記されていました。
輝千代夫人の軌跡を知ると、大切な人を亡くした後、
最も辛い時期に人がどうその事実と共に生きていくか
学ぶものが多いと思いました。
また夫が晩年手掛けた使命とも言うべき仕事を
途中で絶やすわけにはいかない、その思いが非常に伝わってきました。
調べるうちに宇治谷先生自身の筆によりしたためられた
現代語訳の原点となった早稲田大学の恩師窪田空穂教授の授業や
学徒動員・初年兵での遺書のエピソードもわかりました。
50年もの歳月によって願いが継がれ、実現されたことに
驚くと共に、死後の新たな命について改めて
考えるきっかけになりました。
お子さんを亡くした両親の話ではありませんが
亡き子を思う親心に通じるものが多々あります。
詳しくはこちらに書きました。
Lana-Peaceエッセイ
悲しみで心の中がふさがった時
「亡き夫の思いを繋ぎ、新しい自分の一面を広げた妻」
http://www.lana-peace.com/2/2-1-067.html
http://www.lana-peace.com/2/index.html
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