親とは自分に代わって治療の選択をしてくれる人であり、
医師の話す事実を受け止めてくれる人であり、
病気で不自由な体をお世話してくれたり
病気で自由に遊べないストレスで鬱屈した心を
丁寧にフォローしてくれる、
そのような八面六臂の活躍が求められる人です。
「今」この時間を生きている時、
とにかく今が一生懸命で毎日を過ごしている。
けれどもそうした生活が1年、5年、10年と続いていくと
親は「お父さん」「お母さん」の役割を外した
20代、30代、40代、50代の「人」としての
望む姿を追えない場合も出てきます。
自分の中に99%一生懸命なお母さんの部分があって
1%はこどもの話とは別に
自分の希望や目標に向かって頑張りたいけれど
それ自体が叶わない自分。
その1%に気付いた時、
ある女性は自己嫌悪や罪悪感を強く持ったのでした。
こどもに申し訳ない、と。
でも。。。
親だって人間だもの。
自分自身の密かな希望や目標があって当然ですよ。
それを自分勝手とか、現状をわかっていないとか
頭ごなしに否定するのは違うのだと思います。
親は自問自答しながら、自分の希望と現状との間に
折り合いをつけて、自分の気持ちをうまく整えていく。
そして時期が来たら、
親も子もどちらにとってもハッピーな
状態だなって思える時が来たら
修正した自分の希望を少しずつ叶えていく。
そうやって親が自分の人生を生きていく。
そういうことで良いのではないかなあと思います。
そういう時の自分の変わる苦しみ、
整えていく途中の苦しみは
とても尊いことだと思います。
そして誰かに知ってもらうべき、
意味のあることなのだと思います。
人が困難を受け入れて
何か新しくステージアップしていく時、
やっぱり一人ぼっちで変わるのではなく、
誰かそれを分かち合う、見守る人がいた方が良い。
彼女の涙からそう思いました。
そうやってきた親の軌跡を
お子さんは大きくなって知った時、
きっと誇りに思うはず。
自分のために親は苦労ばかりしてきた
気の毒な人、なのではない。
自分と共に親もどんどんステージアップしてきた人なのだと。
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