2020年03月28日

変えられない事実と生きる上で何が光になるのか ―遺伝と病気

変えられない事実と共に生きていく、
それが自分にとって苦しみを伴う事実であれば
生きている間、その人はずっと苦しいまま
過ごさなければいけないのでしょうか。

ある女性は我が子の病気が遺伝によるものだと知りました。
過去に戻ってどの時点からやり直せばいいのだろうかと
思い悩んでも、彼女はどうすることもできません。
日々の暮らしの中で突如、八方ふさがりのような
気持ちが高ぶって自分を苦しめることがありました。
そしてどんなに彼女が落ち込んで
暗い気持ちで過ごしたとしても、
お子さんは日々成長しているのでした。

ずっと自分の気持ちだけにとらわれているわけにはいかない。
やらなければいけないこと、たくさんある。
彼女はそう気付きました。
どんなに自分が行き場のない怒りをぶつけても
病気という事実は変わるわけではない。
じゃあ怒ってもしょうがないじゃないかと。

彼女は「良いとこ探し」をするようになりました。
こどもは重い病気であったとしても
必要な治療の機会を今、受けることのできる状況にいるのだと。
根治するわけではないけれど、
でも今よりはずっとずっと良い状態になって
成長するお子さんの広がる未来を引き寄せるのだと。

たとえどんなにポジティブシンキングになったとしても
苦悩は一生続くと彼女はおっしゃっていました。
でも以前の彼女と違う所は
自分ではどうにもできない状況の中で
幸せをちゃんと感じることができる、ということです。
そして自己肯定できるようになったことです。

もちろん世の中には
恵まれた環境、恵まれた生活、
不自由のない身体、
そういう整った条件で暮らして幸せな人もいるだろうけれど
何か欠けたものの中で見つけ出す幸せって
当人にとても力強さを授けてくれるのだと思う。

はらはらと流れたたくさんの涙の後の
彼女の笑顔は本当に素敵でした。


お子さん、これから元気になりますように。