2020年03月07日

涙も出ないほどの衝撃の後 ――ある母親の話

小さなこどもに「よくある」症状が起きて
病院に連れて行った時、
まさかそれが重病のサインだとは
考えもしなかったことでしょう。
だってそれは恐らく
小さなこどもであれば100人中100人は
経験したことがあるような症状だから。

少したってから彼女が我が子の病名として
医師から聞かされたものは
1回では覚えられないような
聞いたこともないような難病だったのでした。
その日を境に突然世界が変わってしまったような
強い衝撃はあまりにも彼女を打ちのめして
当時涙も出なかったそうです。
それからようやく現実だと受け入れるようになってから
涙があふれてきたのでした。

そして彼女は自分が今、何ができるかを
必死に考えたのでした。
こどもは幼すぎて訳はわからなくても
親が泣くとなぜだか自分も悲しくなって
親につられて泣いてしまう。
そういう揺れやすいピュアな心の我が子の前で
自分ができることは
笑顔で過ごすことだ。
そう気付いたのです。

いくら自分が泣いていても、状況は変わらないから
それなら現実を受け入れるしかない、と腹をくくって。

ダメな方向ばかり考えていたら
すべての自分のエネルギーが
ダメな方向に流れていくから
下を向くのはもうやめようと。

そして何とかならないのだろうか
そうもがく気持ちを彼女は
こどもとの生活を
はりのある活気あるものへと変えるための
エネルギーにしていったのでした。

彼女のその軌跡を伺って
心がジーンとしました。
彼女がこれまでの話を
今、笑顔で語れば語るほど
衝撃を受けた当時から経た飛躍が
どれほど大きいものであるかが
伝わってくるようでした。

また一つとても大切なことを
若い母から学ばせてもらった。
ありがたいことです。

彼女の生きてきた姿は
きっとお子さんの心の中にも
焼き付いて、しみ込んでいると思う。
それはとても大きな力に変わる。
これから始まる治療の中で。

きっとお子さん元気になりますように。