2019年11月30日

御即位記念特別展「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―」(2019/11/20)

先週、上野の東京国立博物館で開催されていた
御即位記念特別展「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―」に
行ってみました。

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多くの人が来場していましたが
会場の平成館に向かう手前の本館入口前で
時間で区切られた入場整理券を配っていたので

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それに合わせて
TNM&TOPPANミュージアムシアターや
東洋館などを見てから
時間を有効活用できたのはありがたいです。
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30代後半の頃に奮起して大学で歴史を学ぼうと
京都造形芸術大学の通信教育課程に入学した年、
本物を見る機会を増やそうと奈良国立博物館の
正倉院展に出かけたのが
もう10数年前のこと、
それから「正倉院」と聞くと
あの頃の秋の風景をいつも思い出します。

東京国立博物館本館前のユリノキも
当日は美しく色付いていました。
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今回、とても心に残った品がこちら、
正倉院宝物 雑集(部分) 
聖武天皇筆 
奈良時代・天平3年(731)

全長21メートル42センチという長大な巻物
「作品No.6 雑集」です。

国立国会図書館のデジタルコレクション
閲覧することができます。

トーハクのブログによるとこちらは聖武天皇の御宸筆で、
天皇がしたためられた書としては、
現存最古の作品だそうです。

心を込めて記された1万8千字は
静かな迫力のあるものでした。

巻末は天平3年9月8日の日付と共に
次のように締めくくられていました。
「諦思忍 慎口言 止内悪 息外緣」
石澤典夫氏による音声ガイドでは
「心乱さず耐え忍び、口に出すことを慎み
穢れた心を捨て、広く衆生を救う」と解説されていました。
これは聖武天皇の座右の銘とされていたのだそうです。
しみじみ、しみじみ
聖武天皇のお人柄が文字から伝わってきます。

展示コーナーの最後には
写真撮影OKの場所がありました。

こちら正倉院南倉を再現したもの
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あまりに大きくて見上げた時
収蔵庫というよりも神殿のようでした。
床下だけでも2.7mあるといいますから圧巻です。

明治時代に造られた模造品がありました。

螺鈿紫檀五絃琵琶(模造)と
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螺鈿紫檀阮咸(げんかん)(模造)です。
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そして森鴎外の言葉もありました。
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夢の国 燃ゆべきものの 燃えぬ国
木の校倉の とはに立つ国 
森鴎外

鴎外は大正6(1917)年から5年間、
現在の東京国立博物館の前身である
帝室博物館の総長を務めていました。
そして奈良を何度か訪問した折に
詠んだ歌が上記の歌だそうです。

特別展の開催された平成館の手前に
鴎外の総長室跡がありました。
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昨年秋の読売新聞に掲載されていた
宮内庁正倉院事務所 所長のお話
によると
宝物を官位や爵位がなくても正倉院宝物を
見られるようにしたのは、鴎外だそうです。

100年前に確かにこの地で執務していた鴎外は
今、こうして何十万もの人々が足を運んだこの特別展を
かつての総長として
きっと嬉しく見守っていたのだろうなあ。
posted by Lana-Peace at 11:49| アート / 歴史 博物館情報