2019年08月31日

1歳のこどもを守り続けたホタテガイ ―北海道・高砂貝塚G25号墳墓から考える

2019年6月、北海道虻田郡の入江・高砂貝塚館と
入江貝塚・高砂貝塚に行ってきたのですが
こちらの展示物、すごく心打たれるものがたくさんありました。
これらについてもっと知りたいと思ってたどりついたのが
札幌医大解剖学第二講座が出されている『高砂貝塚』。

こちら国会図書館で調べてもなかったけれど
都内では首都大学東京と東京大学農学生命科学図書館
にあるとわかりました。
でも残念ながら首都大学図書館は都民は本館は利用できても
人文社会学部図書室の利用はできないと知り、アウト。
そして東京大学農学生命科学図書館は一般利用でもOKと知り
早速出かけてみたところ、あるべき書棚にない。
その周辺、ありそうな書棚を散々探したけれどない。
そしてカウンターの職員さんにお尋ねしたら
ご親切にも一緒に暫く探してくれたのだけれど、
やっぱりない。
途方に暮れてしまったけれど
都内の古本屋さんで扱っていることを知り、
ようやく手に入れることが出来たのでした。
三橋公平教授退職記念号の分厚い立派な本だったのですが
実に素晴らしい本(※)でした。

※三橋公平ほか(1987)
『高砂貝塚 噴火湾沿岸貝塚遺跡調査報告2三橋公平教授退職記念号 』
札幌医科大学解剖学第二講座


そして読み進めていくうちに
入江・高砂貝塚館に展示されていたものが
奥深い背景を持つものだと知り、
「これを読んでから見たかったなー」と
しみじみ思うこと多々あり。

いろいろ調べていたので
2ヵ月以上、時間がかかってしまいましたが
その中から今日はG25号墳墓のお話を取り上げたいと思います。
縄文時代晩期の土坑墓から見つかった
1歳のこどもはお顔にホタテガイが被せられていたのでした。
そして30個の安山岩礫も見つかったのでした。
報告書の出土記録を読むと、もちろん淡々と事実が記されているけれど
親やきょうだいたちの愛情が感じられる埋葬でした。



詳しくはこちらに書きました。

Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考える死生観とグリーフケア
「1歳のこどもを守り続けたホタテガイ」
(北海道虻田郡洞爺湖町)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-085.html
http://www.lana-peace.com/2/index.html