2019年03月05日

語ることの意味と力

ある日突然、お子さんが今迄聞いたこともないような病気になって
様々な治療が始まった時、
親御さんの気持ちがとても現状に追い付かなくて
思考も感情も過去のある時点に留まったままになってしまう、
そういう場合があります。
医師からの説明を聞いても
何がどうつながっていくのかがわからなく
でも、それを質問する元気も湧いてこない。
すごく辛い気持ちであることは間違いないけれど
今、何が辛いのかさえもわからない。
お子さんが元気になって何をしたいのかも
思いつかない、あるお母様はそう語っていました。

やがてその時間が流れていく中で
親御さんはお子さんにとって必要な判断や行動が
とれなくなってしまいます。


そういう時は、誰かに自分の頭の中にあるもやもやを
話すことが解決の一歩になっていきます。
話すから物事が解決する、という単純なことではなくて
話すことによって自分でも気付いていなかったものが明らかになったり
だんだん心を落ち着かせて、
今は何からどうすべきなのかが少しずつ見えてくるから。

一人で抱え込んでいる時は
あなたのいつもの問題解決力も実行力も発揮できない。
それはお子さんにとって、残念なこと。

感情も思考も停止して
自分が自分じゃなくなってしまいそうな時
誰かに話してほしいです。

お話を伺った後、見違えるように変わったお母様の表情を見て
そう思いました。

一人で抱えて本当に苦しかったんだなあ。