2018年12月27日

心地良い心の居場所を増やした母 ―親が付添で家を離れた子のために

お子さんがとても重い病気でしばらく入院生活が続く時、
病院によっては24時間付添を求められるところもあります。
私が若かりし頃、勤めていた病院では個室以外の付添は不可で
面会時間も1日数時間に限られていたので、
小児病棟の大部屋の家族付添は
「無し」が当たり前だと思っていたのですが
世の中いろいろな形があるものです。

24時間付添が求められる時、大抵、母親が付き添い、
週末など父親の仕事が休みの時に父母が交替して
付添するご家庭が多いのですが
親御さんにとっては家で待っているお子さんの
兄・姉・弟・妹への心配も尽きませんね。

あるお母様は覚悟を決めたそうです。
赤ちゃんは数カ月単位で入院が見込まれるし、退院してもこれからまた
入院する機会が出てくる可能性は否定できない。
病院生活とは切っても切れないご縁が続く。
だからこそ「うちはそういう家庭なんだ」と割り切って
家族揃って生活できないところから思考をスタートさせたのです。
その上で、おうちで過ごすお姉ちゃんの心の中に
影を落とさないようにするにはどうすべきなのか?を
考えるようになったそうです。

限られた時間、限られたマンパワーの中で
親として自分はどう動き、何を配慮すべきなのか?
それはお姉ちゃんをわがままに好き放題にさせるとか
そういう次元の話じゃありませんよ。

ママが赤ちゃんの付添でずっと離れているのは
自分は見放されているからなんだ、なんて
お姉ちゃんが誤解しちゃいけません。
我慢して、寂しくて、辛くて、つまらなくて……
そんな風に育つのではなくて、
制限があってものびのび、楽しさを感じながら
大きくなってほしいと彼女は願ったのでした。

彼女が見つけ出した結論は親以外にも信頼できる人から
いろいろと気にかけてもらって、たくさんの愛情をもらって
お姉ちゃんが親以外に自分の心地良い心の居場所を作れることでした。
そこにはもちろん周りの理解や協力を得ることがとても重要でした。


きっとお姉ちゃんは大きくなった時に思い出すことでしょう。
自分が寂しい思いをしないよう、母が心を砕いていた姿を。
親以外にも自分を慈しむ人々がいたことを。