2018年04月04日

横浜開港資料館ステンドグラス(鳳凰・箱根越え・呉越同舟・黒船ポーハタン号)

先月訪れた横浜の開港資料館にとても美しいステンドグラスがありました。

2階にあったステンドグラスの前は、当日イベントで行われていた
「ジャックの塔」に登る長蛇の列でしたが
見上げるとそこには「箱根越え」「鳳凰」「呉越同舟」のステンドグラスが。

「鳳凰」は横浜市の市章ハマ菱を左右から挟み、
「箱根越え」は富士山を背景に駕籠に揺られて山道を登る姿です。

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「鳳凰」
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「箱根越え」
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そして鳳凰を中心に箱根越えと対に配置されていた
「呉越同舟」のステンドグラスはこちら。
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「開港」を記念する館のステンドグラスのテーマに
「呉越同舟」を選んだ作者のメッセージが奥深いです。
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解説板によると大正12(1923)年、関東大震災で焼失した後、
「箱根越え」と「呉越同舟」は当初のものを尊重し
「鳳凰」はデザインを変えて、昭和2(1927)年
宇野澤ステインド硝子工場により復旧されたのだそうです。

そして館内を進み、階段近くにあったのが黒船のステンドグラス。
嘉永7(1854)年、ペリーが横浜村に上陸し、
日米和親条約を締結した際に旗艦として来航した
黒船ポーハタン号の様子を表現したもの。
この船上では安政5(1858)年日米修好通商条約が調印され、
万延元(1860)年、条約を正式批准するために日本使節団がこの船に乗り
太平洋を横断して米国に向かったそうです。

オリジナルは宇野澤ステインド硝子工場が作ったそうですが
関東大震災で焼失した後、昭和2(1927)年にやはり同工場が
当初のものを尊重し、再製作されたということでした。

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そして開港150周年記念事業の一環として
館内ステンドグラスは平成20-21(2008-2009)年に修復が行われたそうです。
全国初の大規模ステンドグラスの本格的修復のおかげで
光の美しい取り込みが可能となりました。
その作業に関する説明のパネルが設置されていましたが
鉛の桟の劣化とそれに伴うパネルのたわみ、ガラスのセリだし、
破損だけでなく、かつて暖をとっていた石炭(薪)ストーブのすすや
タールの付着による汚れ等が修復洗浄作業で対応されたそうです。
慎重に取り外し、鉛の桟とガラスのすべてをばらばらに分解し、
ガラスを1枚ずつ超音波洗浄機を使い、
それでもとれないものは溶剤で除去したそうで
人物の目鼻が描かれていたガラスは
塗料で絵付けしただけのものだったことから
新しく用意したガラスに釉薬で描いて剥がれ落ちないよう
焼成し、交換したそうです。
そして組みたて直し、はんだ付け、パテ詰めを経て完成。
時を経て様々な人々の叡智と根気強い作業が集結した作品。


こちらは2009年3月31日神奈川新聞のパネル写真。
修復完成後に取付されている様子です。清々しい美です。
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新しいものをどんどん作るのも良いけれど
古き良きものを残し、伝えることは
未来のためにも大切な気がするひとときでした。
posted by Lana-Peace at 12:24| □ アート いろいろ (街の中)