2018年01月08日

月見草と富士山のマンホール(山梨県 旧河口湖町)

山梨県の南都留郡富士河口湖町で撮影したマンホールです。
月見草がデザインされたもの。

DSC07039.JPG

こちら中央にある文様は2003年11月15日に富士河口湖町になる前の
旧河口湖町の町章のようです。
山梨県の市町村章一覧に関するWikipediaの解説によると
旧河口湖町の町章は、富士山を背景に末広がりの「河」を変形し、
更に逆さ富士で表したものなのだそうです。
確かに中央部分を拡大してみると、
富士山っぽく見えます。

DSC07039a.JPG

なお、月見草は太宰治が山梨県南都留郡河口村(当時)の
御坂峠にある「天下茶屋」に滞在していたことを題材にした
『富嶽百景』の中に登場します。
当時山中の一軒家である天下茶屋には郵便配達されなかったことから、
3日に1度ほどの割合で、太宰は30分かけてバスで河口局までおりて
郵便物を受け取りに行っていました。
ある日茶屋に戻る途中、太宰の隣に60歳ほどの女性が座ったのです。
バスの女性車掌が「今日は富士がよく見える」と声を上げた時、
他の乗客はざわめいたものの、
その女性は一瞥しようともしなかったことから、
富士山を俗っぽく思っていた太宰は共感するところあり、
彼女と同じ方向(富士山とは反対側の崖)を見ていたときのこと。

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「おや、月見草。」
 さう言つて、細い指でもつて、路傍の一箇所をゆびさした。
 さつと、バスは過ぎてゆき、
 私の目には、いま、ちらとひとめ見た
 黄金色の月見草の花ひとつ、
 花弁もあざやかに消えず残つた。
 三七七八米の富士の山と、立派に相対峙し、
 みぢんもゆるがず、なんと言ふのか、
 金剛力草とでも言ひたいくらゐ、
 けなげにすつくと立つてゐたあの月見草は、よかつた。
 富士には、月見草がよく似合ふ。

        引用:青空文庫『富岳百景』太宰治
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かれんな月見草が壮大な富士山と相対峙している
何だかそういう世界観が凝縮されたマンホールです。
posted by Lana-Peace at 14:25| アート / 歴史 美しいマンホール