2017年12月26日

真理に立ち返って生きる力を得た少年

今日はとても嬉しい。
すごくすごく嬉しい。
東京の空は雲一つなく、青く澄み渡っているのだけど
そんな清々しい気持ち。
なぜならYくんのお誕生日だから。
2カ月とちょっと前、Y君のご両親はY君に残された時間が
ほんのわずかだろうと医師から告げられた。
ご両親が選んだのは医療機器に囲まれた
先進的な医療が受けられるICUではなくて
そばで落ち着いてゆっくり過ごすことのできる病棟での時間。
ご両親が目標にしたのはまずは1週間。
どうか週末が越せますように……って。
そんな風に心の中で願いながら。
彼等が過ごした時間は絶望と悲壮感漂う時間ではなく
とてもとても心あたたかな時間。

もちろんそこにはご両親の覚悟があったからできたこと。
悲しい涙の時間でY君の人生の時間を包むのではなくて
あたたかな時間で彼を守っていこうって
覚悟を決めたからだろうなあ。

Y君のご両親は今の一瞬、一瞬を大事にしていった。
そしていろんなことに感謝して、いろんな喜びを感じていった。
「目の前にもうある事や物や人を大切にしていると、
自然と良い未来が向こうからくるのかもしれません。」
お母様のメールにはそう綴られていた。
手のひらの上にある幸せに気付ける人は
手のひらの上にもっともっと幸せが舞い込んでくるんだろうなあ。
幸せを引き寄せる力を持っているのだと
彼女の姿勢、発言から私はいつも気付かされる。

週末を越せますように……
そう願い続けて、迎えた今日のお誕生日。
ああ、なんて素晴らしいんだろう。

この前、病室を訪れた時、Y君に声をかけたんだ。
「Yちゃん、あなたは本当に素晴らしいよ!」って。
足をもぞもぞしていたから、気持ちは届いたかな。

Y君ご一家にたくさんの幸せとあたたかな時間が
これからも積み重なっていきますように。

人は変わる。
変われる人は強い。本当に強い。
医師からの説明で凍りつきそうな心のままで
ご両親がもしも、とどまっていたら
きっと今のY君の時間はないだろう。

Y君、あなたのママは
あなたがこれまで歩いてきた道にお花がたくさん咲きますように…
そういう思いであなたとお別れになるかもしれない時間をスタートしたんだよ。
でも、今は看取りの時間なんかじゃないね。
あなたのとても大切な人生の時間。
看取りなんていう形容詞はちっとも似つかわしくない。
あなたの人生にはお花が咲くどころか、
世界中のいろんなところから祝福してくれる神様や天使が集まって
あなたを支える不思議な力があなたを包んでいるようだね。

Y君、お誕生日おめでとう。
本当に嬉しい。
あなたの命はキラキラしている。
他人はこれを奇跡と呼ぶのか?
いや、世間一般では「奇跡のようだね」と言うのかも。
でも奇跡なんかじゃなくて、現実。
じっとしていたらたまたま、夢のようなラッキーが起こったのではなくて
Y君とご両親とお兄ちゃんがみんなで一緒に手にしている現実。

高血圧に関係あるレニンという酵素の遺伝子の解読に成功し、
イネの全遺伝子暗号解読も行われた村上和雄先生は
この世界は科学だけでは解明のつかない
「サムシング グレート」によって司られていると説かれている。
そして人間の遺伝子はスイッチがONになっているものと
OFFになっているものがあって
自分の気持ちや行動によってその働きをスイッチONにできるのだと。
Y君のご家族の関わりはきっと悪くなる方向へ進むスイッチをOFFにして
良くなる方向へ進むために必要な遺伝子のスイッチをONにしたのだと思う。
そう考えるとやっぱり奇跡なんかじゃない。
人間の身体の本来有るべき望ましい姿、
真理に立ち返るためのサポートを
ご家族はやっていたことになると私は思う。
Y君の生きる力、それが神々しく見えるのは
そのせいかもしれない。

小さなこどもの生命力は、本当に深い教えに富んでいる。