印象的だったものをご紹介。
源氏絵彩色貝桶(げんじえさいしきかいおけ)は
貝合わせに用いる貝を納める箱です。
展示解説板によると用いられる貝殻は360組。
その一方を全部伏せて並べて、もう一方を一つずつ取り出して
貝殻の外側の色や文様によって、一組の貝を引き当ててゆく
というものだそうです。
二枚貝は貞節の象徴とされて、こうした貝桶は
大名の結婚の儀式で婚礼を表象するおめでたい道具だったとのこと。
箱は蓋の天井部分まできれいに彩られ
貝も一枚一枚、実に美しい文様。
400年ほど前の作品、作者は不明だけど、
気の遠くなるような緻密で丁寧な仕事ぶりが際立つ作品です。
作者は亡くなっても作品は半永久的ですね。
縄文時代には貝塚に捨てられていたハマグリの貝殻も
数千年を経ると、金箔や絵の具できれいに装飾され
慶事の表象になるとは、日本人の文化の力ってすごいなあと改めて思いました。
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源氏絵彩色貝桶(げんじえさいしきかいおけ)
1対
江戸時代・17世紀
列品番号 H-4612
東京国立博物館 本館 8室展示
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