2017年11月18日

「毘沙門天立像」(国立東京博物館展示・同館所蔵・旧中川寺十輪院持仏堂伝来)

国立東京博物館展示(東京・上野)の
「興福寺中金堂再建記念特別展 運慶」より印象的だったものをご紹介。

今は廃寺となった中川寺(奈良市中ノ川町)に安置されていた像。

経年変化によって全体は黒っぽくなっていますが
その中で光る着衣の金箔や細かく美しい柄模様は
とてもすごい手作業のなせる技です。

家にかえって調べてみると国立東京博物館のe国宝HPには
像内に紙本版画の毘沙門天摺仏が110枚、
絹本著色毘沙門天像が2枚納入されていたことが記されており
こちらのHPの驚いたところは、その拡大図を見ることができるのです。
す、すごいです。像もすごいけど納入品もすごい!
110枚プラス2枚も入っていた?
きれいに折りたたんで?
それとも、折れないように丸めて?

1mほどの像なので、会場内の他の大きな像に比べると
コンパクトな印象を受けますが
そんなお宝が納入されていたのかと思うと、
本当はぜひぜひ、納入品も一緒に展示してほしかったなあ。

仏像を作った仏師もすごいけれど
版画を彫った人、摺った人、絵を描いた人たち、
いろんな人の思いがこもっている作品だから。

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毘沙門天立像(重要文化財)
作者不明
1躯
像高102.5cm 
木造, 漆箔・彩色・切金, 玉眼
応保2(1162)年
旧中川寺十輪院持仏堂所在伝来、個人寄贈
東京国立博物館 所蔵
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posted by Lana-Peace at 12:29| アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸