2017年11月04日

「十二ヵ月花鳥図貼付屏風」酒井抱一 (出光美術館展示)

出光美術館(東京・丸の内)の「江戸の琳派芸術」より印象的だったものをご紹介。

左隻第四扉はいくつも実のなっている柿の木の枝に
鳥がとまっている様子が描かれています。
画面中央には3羽の鳥、向かって右下に1羽の鳥。
愛らしい瞳です。
3羽の鳥は肩を寄せ合うように、おしゃべりしているかのようです。
黒い丸で塗られた鳥の目のまわりは白い点のような線で縁どられています。
メジロでしょうか。
ぐるりと塗りつぶされているのではなくて
ひと筆ずつ、描いているもの。
ネットに出ているいろんなメジロの写真を拡大してみると、
確かにメジロの目のまわりはそんな感じの白になっていました。

ほんわかした雰囲気の絵だけど、ある部分はとってもリアル。
それは伊藤若冲のようなリアルさではないけれど。
そうしたところが、何かとても引き締まった感じになるのかもしれない。
すごく生命感が宿ると言うか……。


メジロのおしゃべりは何だったのかな。

------*------*------*------*------*------
十二ヵ月花鳥図貼付屏風
酒井抱一
六曲一双
絹本着色
140.7x51.6cm(各図)
江戸時代(19世紀)
出光美術館 所蔵
------*------*------*------*------*------
posted by Lana-Peace at 10:59| アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸