2017年10月09日

岩名天神前遺跡の壺型土器・甕型土器・発掘骨(明治大学博物館 蔵)と古代人のグリーフケア

岩名天神前遺跡は昭和38(1963)年、千葉県佐倉市で耕作中に
偶然土器が発見されたことをきっかけに、
発掘が始まり、その存在が明らかになった遺跡です。
ここから弥生時代中期の7基の墓壙が発掘され
そのうち数点、壺型土器、甕型土器や発掘された骨が、
明治大学博物館に展示されていました。

甕型土器は日常使いの転用かも知れません。
しかし壺型土器はその高さに対して底面積が明らかに小さく
はじめから非日常の特別なもの、聖なるもの、とした扱いで
作っていたのかな?と想像します
表面の線描は円形、直線、曲線、いろいろな形が組み合わせられ、
そして壺開口部の形はシンプルなものもあれば、
すこし波がかったものもあります。
とても美しいです。

埋めてしまう、すなわち人目には触れなくなるものでありながら、
美しい壺を用意したということ…
それは故人を追悼し、敬う気持ちの現われだろうと思います。
美しい造形、線描を1つ1つ作りながら、
壺や甕を完成していく時間は、当時の人々にとって、
グリーフケアに相当したのではないでしょうか…。

明治大学博物館の展示物を見学した後
春成秀爾先生の論文(※)を合せ読むと
それぞれの発掘物の向こう側に、
当時の人々の人生や思いが垣間見えてくるようです。
※春成秀爾(1993)「弥生時代の再墓制」
『国立歴史民俗博物館研究報告』第49集, pp.47-91


詳しくはこちらに書きました。


Lana-Peaceエッセイ
アート・歴史から考えるグリーフケア
岩名天神前遺跡 壺型土器・甕型土器
(明治大学博物館蔵)
http://www.lana-peace.com/2/2-4-038.html