2017年10月03日

こどもにとって緩和医療とは何か

医師からお子さんの治療の選択肢として
「緩和医療」を挙げられると
親御さんは、戸惑う気持ちがあるかもしれません。
「どういうこと?」
「もう治ることを目指した治療をしないってこと?」って。

でも、私が個人的に思うのは
緩和医療とは「将来を諦めて選ぶ」医療ではなくて
「お子さんがより心地良く過ごせる時間をどんどん増やしながら
その人本来の力を取戻すためのきっかけを
作っていくための医療」なんだということ。

いろいろな厳しい治療を耐えてきた身体。
緩和医療を選ぶことは
こどもたちの「現状の中でも精一杯生きようとする力」を
より強く引き出していくことにつながると思います。
人間本来の、生きていこうとする力を。

緩和医療を選ぶことは
決して諦めではありません。
決して、お子さんを見放したのでもありません。
お子さんの幸せって何か
その原点に返った時に、選ぶ道の一つだと思います。
だから、緩和医療を選ぶことによって
親が自分を後ろめたく思わないでほしいです。

心地良く過ごせる時間が増えることによって
お子さんの身体にみなぎるもの
その可能性を信じていく治療
それがこどもにとっての緩和医療だと思うから。

あるお母様のお話から、そのように思いました。

お子さんとご家族が
心地良く過ごせる時間が増えて
これから新たな希望を持つことができますように…。