2017年06月25日

籬菊螺鈿蒔絵手箱図

サントリー美術館(東京・赤坂)の
「神の宝の玉手箱」より
印象的だったものをご紹介。


籬菊螺鈿蒔絵(まがききくらでんまきえ)手箱図です。

こちら「箱」ではなくて「箱の図」なのですが
この話、実にロマンを秘めたストーリーがあります。

そもそも「籬菊螺鈿蒔絵手箱」は源頼朝の妻、政子ゆかりの品。
鎌倉の鶴岡ケ八幡宮で大切に保管され、伝えられてきたそうです。
時に明治6(1873)年、ウィーン万博に出品され、
日本へ帰国する際、その船が伊豆沖で座礁し、
あえなく沈没。出品物は海の底へと沈んでしまったのです。
その後、捜索が行われ、引き揚げ回収されたものもありましたが
残念ながら籬菊螺鈿蒔絵手箱は海の中に眠ったまま。

平成になって復元が行われたそうですが、
そのもとになったのが、籬菊螺鈿蒔絵手箱図です。

籬菊螺鈿蒔絵手箱図をかつてどなたが
描き残したものかはわかりません。
でも文様や大きさなど文様や大きさなど
細かく記録された物。
今はカメラ、ビデオ、その他いろんな手段で
情報を保存することができるけど
昔は情報を残すだけでも、骨を折る大仕事ですね。

丁寧で几帳面な仕事ぶりが伝わる図です。


文化遺産オンラインHPに画像があります。
http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/274416


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籬菊螺鈿蒔絵手箱図
一巻
江戸時代 19世紀 
鎌倉国宝館 蔵
サントリー美術館(東京・赤坂)
「神の宝の玉手箱」出展品
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posted by Lana-Peace at 15:52| アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸