2017年06月23日

「片輪車双鳥鏡」「片輪車螺鈿蒔絵手箱 模造」「片輪車螺鈿手箱 模造」

サントリー美術館(東京・赤坂)の
「神の宝の玉手箱」より
印象的だったものをご紹介。

レモンの輪切りのような文様は
片輪車(かたわぐるま)文。
そのいわれは牛車の車輪を乾燥から防ぐため
川に浸していた風景を意匠化とのこと。
「片輪車双鳥鏡」(※1)は12世紀の作品です。

京都国立博物館のHPに収載されています。
http://syuweb.kyohaku.go.jp/ibmuseum_public/index.php?app=shiryo&mode=detail&data_id=17434

日常のありふれた生活風景の中から
その場面を切り取って美術品に用いる意匠に仕立て上げるって
昔の人は実にすばらしい感性と才能を持っていたんだなあと
しみじみ思う作品でした。

そして片輪車の手箱は明治時代、小川松民氏によって
螺鈿の手箱として模造再現されています。
模造と言ってもその詳細を忠実に再現できる
表現力と技術力の高さは素晴らしいですね!

「片輪車螺鈿蒔絵手箱 模造」(※2)には、
波間に浮かぶ車輪の文様、
一部が螺鈿で再現されています。

東京国立博物館HPに収載されています。
http://image.tnm.jp/image/1024/C0035118.jpg

そしてこちらの小川氏のもう1つの作品
「片輪車螺鈿手箱 模造」(※3)は
車輪の線描の部分が螺鈿で再現されていました。

何百年もの意匠を再現できる力って本当にすごいですね。


※1
------*------*------*------*------*------
片輪車双鳥鏡
一面
平安〜鎌倉時代 12世紀
京都国立博物館蔵
サントリー美術館(東京・赤坂)
「神の宝の玉手箱」出展品
------*------*------*------*------*------

※2
------*------*------*------*------*------
片輪車螺鈿蒔絵手箱 模造
一合
明治11年頃(1878)
小川松民 作
東京国立博物館蔵
サントリー美術館(東京・赤坂)
「神の宝の玉手箱」出展品
------*------*------*------*------*------

※3
------*------*------*------*------*------
片輪車螺鈿手箱 模造
一合
明治13年(1880)
小川松民 作
東京国立博物館蔵
サントリー美術館(東京・赤坂)
「神の宝の玉手箱」出展品
------*------*------*------*------*------
posted by Lana-Peace at 07:55| アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸