「医療的ケア児と家族を地域で支える」(2017/3/12 東京)2日目
北海道滝川市でそらぷちキッズキャンプを運営されている
事務局長の佐々木健一郎さんが登壇されました。
かつてアメリカの俳優ポールニューマンが
難病のこどもたちが楽しめるように作った
「The Hole in the Wall Gang Camp ザ・ホールインザウォールギャング・キャンプ」
のコンセプトに感銘されて、
日本のこどもたちも同じように楽しめるようにと
立ち上がった佐々木さんに、お目にかかったのは10年前。
その時、アメリカの彼等の運営マニュアルの一部を
和訳するボランティアとして
お手伝いさせてもらって、
その後一度、夏のキャンプにも手伝いで行かせてもらいました。
それ以来だから、あー、本当にお久しぶりだなあ。
佐々木さんはとてもお元気そうで、溌剌とされていました。
そらぷちキッズキャンプは2013年、
国際的キャンプ団体シリアスファン・チルドレンズネットワークから、
準会員として加盟が認められたそうです。
シリアスファン、それは「真剣に楽しむ」こと。
佐々木さんはそのシリアスファンを大事に考えているそうで
その理由を
「明日を生きるエネルギーになるから」
「こどもと家族のQOLの向上に大きく貢献するから」と
お話されていました。
重い病気のこどもたちにとって
楽しいわくわくするような機会って、随分限られてきたはず。
でも、そういう時間を過ごせることにより
自分の生活の日々に輝きが生まれてくるものね。
それから佐々木さんはザ・ホールインザウォールギャング・キャンプを
視察したり、イギリスのこどものホスピス施設を視察された時を振り返り
「優しいオーラが漂っている」と感じたことをお話されていました。
そして、自分たちもそういう施設を目指しているそうです。
佐々木さんのご出身は医療分野ではなく、
「僕は元々緑屋さんです」と自称されるように、
造園分野のコンサルティングなどを行われていた専門家。
そしてそらぷちの事務局長でもあるから
こどもの施設、運営そうしたことをプロの視点で見てこられただろうけど
「優しいオーラ」を感じ取る感性って、すごく大事だと思う。
そこで過ごすのは、大人よりももっと感性が豊かなこどもたち。
こどもたちは敏感にそうした環境(物的・人的)の放つ
気やエネルギーを感じ取ると思うのです。
立派な施設設備、それはそれに越したことはないけれど
こどもたちが求めているのは、そこで過ごす「時間の質」のはず。
そして「優しいオーラ」は時間を上質に変えてくれる
魔法を持っているはず。
でも「優しい」ってことで注意しなくてはいけないのは
それは、ただ「親切な」とか「何でも許してくれる」とか
「猫かわいがりするみたいな優しさ」とか
そういう意味ではなくて
「心地良さと安心を感じられるあたたかさ」を総括する言葉なんだと思うのです。
こどもたちが、ただ、何もしないでボーっとそこに佇んでいるだけでも
心が解放されて、心があたたまっていくことができる…というような。
そらぷちキッズキャンプでは多くのボランティアの方が
キャンププログムの運営に携わっています。
そういう場に参加するボランティアは
「こどもたちのために何かしてあげたい」
そういう気持ちに溢れている志の人がいっぱい。
だから、どうしてもこどもたちに何か声かけたり、
何かしたりしたくなる。
だけど佐々木さんは、こどもたちを静かに見守る時間も
とっても、大事なんだってお話されていました。
非日常のたくさんの楽しい経験をすることにより
こどもたちにとっては経験と情報と喜びの洪水になっちゃうから
彼等にも静かな時間、自分ひとりで感じる時間、考える時間
かみしめる時間、そういう時間は必要ですものね。
そして、そういう時間を過ごす時
優しいオーラがうんと力を発揮してくれるのだと思う。
北海道滝川市にあるそらぷちキッズキャンプ
滝川市は40年ほど前に、父の転勤をきっかけに
私が4年間、育ち、お世話になった場所。
こども時代を振り返る時、私にとっては
いつも、その4年間が真っ先に登場します。
そういう思い出いっぱいの場所が
重い病気のこどもたちにとっても
「本当に楽しい思い出を作れた場所」になれると、
とっても嬉しいなあ。
そして、その楽しい思い出が
その子にとって、生きる力になったり、励みになったり
あるいはお空に還っても、残されたご家族が
「あーあんなに楽しい時間を過ごせた場所」って
思い出せるといいなあ。
きっとお空に還ったこどもも
「こんなに楽しいことがあってさ、それはね…」って
神様や天使たちに自慢しているといいなあ。
【学んだこと 学会/研究会/講演会/セミナーの最新記事】
- 講演会「弥生時代と土井ヶ浜遺跡」(201..
- 研修会「医療的ケア児と家族を地域で支える..
- 研修会「医療的ケア児と家族を地域で支える..
- 「医療的ケア児と家族を地域で支える」(2..
- 「世俗化する欧州社会における看取りの思想..
- 2015 オレゴンダギーセンター研修 (..
- 2014年11月特別講義「カラダと心をい..
- ヘミシンク エクスカージョン(F12コー..
- ヘミシンク エクスカージョン(F10コー..
- ヘミシンク セミナー「イントゥ・ザ・ライ..
- 第6回小児肝臓・肝移植セミナー
- シータヒーリングとスピリチュアルなアプロ..
- メンタルセラピスト講座(国際メンタルセラ..
- 2013/6/22 国際実存療法士 第3..
- 2013/6/9 安保徹先生・宮島賢也先..
- 2013/5/19 第25回日本自律神経..