2017年03月05日

「武陽金沢八勝夜景」歌川広重  (太田記念美術館展示)

太田記念美術館(東京・渋谷)の
「江戸の絶景〜雪月花」より
印象的だったものをご紹介。

こちら歌川広重が箱根に遊山に出かけた
嘉永六年(1853)のスケッチを元に
制作した作品の一つだそうです。
4年温められた風景が版画として蘇り、
それが160年も経ってこうして現代の人の目に触れるわけです。

画面中央上方に月が、そしてその下に野島、
その下に松の木々が点在する砂州が続いています。
月の下の方には鳥たちがM字を描くように
群れをなして羽ばたいています。
そして砂州もまるでM字のように続きます。

それらが中央に配置されています。

空(月)と生き物(鳥)と
海と大地(砂州)がすべて一つに繋がっている
そんなことを感じさせる、とてもシックで
大人雰囲気満載の美しい版画。

実物を見るのが良いけれど
でもそれはちょっと無理という方は
神奈川県立歴史博物館のウェブサイトで
こちらの浮世絵、見ることができます。
http://ch.kanagawa-museum.jp/dm/ukiyoe/kanagawa/meisyo/d_meisyo08_zoom.html

今は横浜金沢エリアは開発されて、
昔とは違った面影になってしまっているけれど
静かなたたずまいの海岸エリアもまだありますよね。
いつか、現代の夜の「金沢八勝夜景」行ってみよう!


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武陽金沢八勝夜景
歌川広重
1枚
安政4年(1857)7月
太田記念美術館蔵
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posted by Lana-Peace at 14:28| アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸