2015年12月24日

小林清親「御茶水蛍」(MOA美術館)

先日訪れたMOA美術館(静岡県熱海市)の常設展から
印象的だったものをご紹介。

暗闇の中、岸に挟まれた川に一艘の小さな屋形船。
障子窓からほのかな灯りが漏れていて
川面に映るその反射がとても美しいです。
そしてその周りには、
白い蛍の明かりが船を取り囲むようにいくつも。
「御茶水蛍」というタイトルですが
かつて140年ほど前には東京 御茶ノ水にも
蛍が飛び交っていたのでしょうか。

なんだか幻想的な版画ですが、
時の移り変わりがとっても象徴されているなあと思いました。

小林氏は創作当時、そんなことは考えなかっただろうけれど…。

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御茶水蛍
小林清親
明治10(1877)年頃
MOA美術館(静岡県熱海市)所蔵
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posted by Lana-Peace at 13:39| アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸