2015年12月19日

尾形乾山「色絵十二ヶ月歌絵皿」(MOA美術館)

MOA美術館(静岡県熱海市)の「琳派の美 光悦・宗達から抱一まで」より
印象的だったものをご紹介。

こちら12枚の額絵皿です。
縁のところに描かれている模様は
素朴なタッチの線の組み合わせですが
絵皿の表には、それとは随分雰囲気の違う繊細なタッチで
木々、草花、鳥が描かれています。

その線の美しさは
「焼き物でよく、こんなにきれいに表現できるなあ」と
しみじみ思えるほど。

さて12枚のお皿は12か月分を表しているわけですが
1枚だけ、お皿の縁の部分が抜きんでて高いものがありました。
9月の絵皿。それはどうしてなんだろう?
縁取りの文様も、他のものに比べてちょっと手が込んでいます。

乾山にとって、9月は特別な月だったのかなあ。謎。

美術館から帰った後、この絵皿のことを調べてみたら
こちら藤原定家の「詠花鳥倭歌各十二首」にちなんだもの。
裏面には花と鳥の歌各一首ずつ、
表面にその歌を表した絵が描かれているとのこと。

せっかくだったら、その裏面も鏡を使って見せてほしかったなあ。

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色絵十二ヶ月歌絵皿
尾形乾山
元禄15(1702)年
MOA美術館(静岡県熱海市)所蔵
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posted by Lana-Peace at 17:14| アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸