2015年08月06日

食籠(じきろう) 蓋 (鎌倉国宝館)

先日訪れた鎌倉国宝館では7/26までの特集陳列として
平成26年度鎌倉市新指定文化財および新収蔵品がありました。

その中に鎌倉時代の「食籠(じきろう)の蓋」がありました。
食籠とは食べ物を盛る器のこと。
直径30センチくらいありそうな、大きな蓋でした。

鎌倉は地下水位が高いため、木製品が良好な状態で
出土されることが多いのだそうで、
この食籠は御成小学校向かい側あたり、
鎌倉時代の河川跡から出土したものだそうです。

長い年月を経て、全体は暗いトーンになって
文様の一部が消えかかっているところもありますが、
よくよくみると、それはそれは美しい、
見事な草花文が描かれていました。
内面は朱塗りで草花文、
外面は椿、桜、藤、笹、楓の草花文や橋などが描かれています。
椿のおしべは朱漆、花びらと葉っぱは銀蒔絵、
桜は朱漆、楓は銀蒔絵なのだそうです。
直径30pくらいはありそうな、大きな蓋でした。

蓋だけでも、こんなに立派なものであれば
本当に大切に何か食事をいれていたものなのか、
装飾品として利用されたのか、それは不明ですけど、
当時の日本人のアートの力って、すごいことだなあ。

土の下にはたくさんの時間と、誰かの努力が
眠っていますね。

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食籠(じきろう) 蓋
鎌倉時代
若宮大路周辺遺跡群
鎌倉市教育委員会所蔵
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posted by Lana-Peace at 15:33| アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸