2015年07月26日

安部恭弘氏 鎌倉アコースティック・スペシャル〜散歩の途中で 2015〜

昨日、鎌倉 鴎林洞で開催された安部恭弘さんのライブに行ってきました。
最初、2種類用意されたうち、一方のギターのトラブルがありましたけれど、
そういった場面で交わされるメンバーとの会話の中から
生み出される一つ一つの音が、どれだけ大事なものであるのか
知ることができたので、それはまたそれで、良かったなあ。

ハプニングがありつつも、弘法筆を選ばずと言いますか、
指先から、どうやってこんな音色が編み出されるんだろうかって
釘付けになるほど、安部さんのギターはすごかったなあ。
そして、「ボーカリストとして歌に命かけてる」って
笑いながらおっしゃったように
素敵な歌声によって、その歌がそれぞれ持っている世界観を
作り出していました。
それにしても、安部さんの書かれてきた、これまでの数々の曲、
秀逸のメロディーが多いので、
そうしたものをボサノバアレンジしたセルフカバーアルバム
出してもらえないかなあ。
ライブでいくつか、そうした曲が、安部さん、重久さん、松田さんの
セッションで披露されると
もう、どきどきするほど、大人の色香が漂っているのです!

鴎林洞のグランドピアノの音は、結構重厚だったので
重久義明さんの奏でるすばらしい旋律が
ド迫力で会場を包んでいて、とっても良かった。
代官山のクリスマスライブでは、若干重久さんの
キーボードの音量が全体の中で小さくてすごく残念だったので、
今回の生ピアノ、いいなあ。
そして重久さんのメンバーを気遣う、さりげないコメントの
言葉の選び方も、優しい人柄があふれていて、大人ですなあ…。

松田靖弘さんはフルート、サックス、トランペットを持ち替えて、
演奏されていたけど、当日重久さんが絶賛されていたように、
本当にすごいなあ。どれだけ日々練習しているんだろう。
特に松田さんのフルートを聴くと、フルートに対する概念が
変わるような気がします。
お行儀のいい悩み知らずのような良家のお嬢様が、
実は内面にいろんな憂いを抱えていて、
夜中に窓を開けて、空に向かって独り言を言って悲しみを解消しているような
そんなイメージ。

今回は3人の奏でる音の空間の中で
「いしの力」を感じました。
無音の空間の中に、音を作り出すのは、
その人の意志によるものであり、意思が反映されたもの。
それがないと、無音のままですものね。
こういう音を作り出したいとか
音によって表現したい世界観がはっきりしている方の音楽って
たぶん、雑味が削がれていくのだろううな。

病気や障害などによって、何か心の中の隙間が大きく感じられたり
大切な人を亡くして、その隙間の大きさが、自分を苦しめる時、
きっと、隙間を埋めていくものの一つは
そういう「いしの力」を伴った良質な音楽なんだろうなあって思います。

曲の音色や歌詞によって、今ここではない違う世界に瞬間移動できる。
そういう経験を何度もしていくうちに、
行き詰まったはずの時間に、少し小さな風穴が開いて
違った自分の道を見つけていけるのかもしれないですね。

ライブの後、鴎林洞を出て鶴岡八幡宮の横を歩くと、
たくさんの木々のせいか、東京の蒸し暑さよりも
幾分風が涼しく感じられ、美しい月夜でした。

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posted by Lana-Peace at 17:29| アート / 歴史 音楽