その背表紙がとってもあたたかい感じがして、手に取った本(※)が、
とっても良い本だったので、今日は取り上げたいと思います。
※じゅん(2012)
『発達障害のある子のこころを育てる―3つ子の子育てハッピー絵日記』
学研教育出版
こちら、三つ子のお母様「じゅんさん」が書かれた本です。
三つ子ちゃんは男の子2人、女の子1人のごきょうだいですが、
長男まぼくんはアスペルガー症候群、
次男たんたんくんは脳性まひと自閉症、
そして長女あーちゃんはそうした発達障害はなく生まれました。
この本のタイトル、最初だけ見ると何か精神医学・療育関係の専門書のような
印象を受けますが、実際はそういう堅苦しいものではありません。
タイトル後半が示しているように、日々の子育て、生活の中で
母親であるじゅんさんが感じたこと、気づいたことをわかりやすく、
語り風にエッセイにまとめられ、そこにご自分でイラストも添えられています。
1つのテーマの文章が短いので、子育て中のお父様、お母様が忙しい時間に
合間合間に読み進めるにはちょうどいい長さですね。きっと。
発達障害に関する本ですが、そこに書かれている内容は決して、
その診断名を受けた人だけに当てはまることなのではなくて、
きっとすべての人が生きていくうえで共通する、
大事なことが根底にあるからこそ、
すごく心に響いてくるんだろうなあと思いました。
だから子育て中のご両親に参考になるだけでなく、
人として生きていくうえで、起こってくる対人関係の問題などの点からも、
「ああ、そうか…」と振り返り、気づくきっかけをいただくことにもなりました。
何かこう自分に起こってくる出来事がすべてネガティブに思えて、
活路を見いだせなくなっている方にとって、
はっと我に返るような本のような気がいたします。
読後感がすごく爽やかな気持ちが得られるので、
多くの方に手にとって読んでほしいなあと思います。
そしてじゅんさんはブログ「みつゴコロ」もやっていらっしゃいますので
高校生へと成長した三つ子ちゃんたちの様子も知ることができます。
今回は本の中から保育園の年長さんだったころのお話を
こちらに取り上げました。
特別な教育を受けることがすべてではなくて、
日常生活の中で、親や周りの人たちができることって
こんなにもたくさんあるのかと気づくことができます。
Lana-Peaceエッセイ
家族の気持ちが行き詰まった時
「年長さんの背中を見て育つ大人」
http://www.lana-peace.com/1/1-2-040.html
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