2015年03月19日

平家物語図屏風 (ポートランド美術館所蔵)

ポートランド美術館に平家物語図屏風が展示されていました。
「ポートランドで屏風だわ〜」と感嘆。
10年近く前、京都造形芸術大学在籍中、須賀みほ先生の日本美術史の
スクーリング授業、大好きだったのですけど
須賀先生が絵巻の専門家であったことから、
絵巻や屏風に関しては特に熱心に解説がありましたので
それを懐かしく思い出していました、
六曲一双のこの屏風、作者不詳ですけど、実に立派。
とても細かいところの描き方も美しいのです。
たとえば木の枝のしなり具合とか。
こちらポートランドでは街の中の木が
たとえ枝だけであっても何か非常に美しく空に映えるので
ここ数日すごく印象的だったのですけど
まるで400年前の木の命が屏風の中に蘇ってるみたいです。
こちらで紹介したWilliam Trost Richards氏の作品「Marine」と
波の描き方を比べると、ずいぶん違いはあるけれど
平家物語図屏風の波も、強いエネルギーに溢れていますよね。

合戦、戦争ものって芸術にすること自体は
何か争いを美化してしまっているようで、賛成ではないけれど
そこに高い芸術のスキルやそこにかけた人々の努力とか
そういう面だけにフォーカスしてみると
高い価値があるものだなあと思います。

DSC00521.jpg

きれいに修復されていたようだけれど
アメリカに修復の専門家の方、いらっしゃるのかなあ。
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作者不明 平家物語図屏風
Japan,unknown artist
Battle Scenes from The Tale of the Heike
1624/1643
Ink, mineral pigments,and gold on paper
Private Collection
アメリカ, ポートランド美術館所蔵
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posted by Lana-Peace at 15:49| アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸