もちろん目的の場所があっていくわけですが
意外と思いもしない出会いがあって、
それが自分の心の中に静かな一石を投じることがあります。
2009年6月に訪れたソウルで、
伝統韓屋が見たくて昌徳宮の近くにある
北村文化センター(북촌문화센터)を訪れたときのことが
とても印象深く残っています。
同世代の女性が当日、ボランティアガイドとしてそこにいらっしゃって
お茶をふるまってくれました。
お茶の作法から言えば、結構大胆(!)なところはあったけれど
でも少し疲れて肌寒かった時に、お部屋でいただく
あたたかいお茶は実においしいものでした。
いっしょにいた妹は韓国語が堪能なので
その方に話を聞いてもらったら、その方は実は普段、看護師さん。
韓国文化を知ってもらいたくて、時々そこにボランティアにきているそうです。
そして病院ではターミナルケアの病棟に勤めていらっしゃるそうですが
患者さんには「あたたかいお茶を飲んでいただきたいと思うから」と
その看護師さんが自ら患者さんに急須でお茶を入れて
ゆっくり患者さんとお話などをされているのだそうです。
「自分がそうしてあげたいと思うから、そうしている」
何の気負いもなく、さらっとおっしゃる横顔は
すごく神々しい感じがしました。
その時、突然彼女に電話がかかってきて、どうやらおうちからの様子。
瞬時に母親の表情に戻ってお話をしていました。
(仕事中に私用の電話に出るとは…といった野暮な発想はさておき)
学校から帰ってきたお子さんに
「学校どうだった?
机の上におやつ用意してあるから、手洗って食べなさいね」と
話しかけていたようです。
韓国語がわからない私でも、隣で聞いていてそのやさしさは感じられるほどです。
電話のあとは、また仕事の話を続けていました。
そのお子さん、ご主人との結婚によって
新しくご縁を結ぶことになったお子さん。
血のつながるお子さんではなくても、彼女とご縁を結んだお子さんは
きっとあたたかい気持ちで生活できているのだろうなあ。

もちろん北村文化センターの近くの昌徳宮も素晴らしかったけど、
北村文化センターで出会ったボランティアの女性は
何年たっても忘れられない方です。
お元気でいらっしゃるといいなあ。
相手のために何かおもてなしの気持ちを形に表す、
それがたとえお作法通りの格式高いものでなくても
その気持ちが伝わってくるって、いいものですね。
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