2015年02月10日

赤ちゃんからのお手紙

お子さんを亡くされた後、周囲の人は「泣いていいんだよ」と言います。
でも、あまりにも衝撃が大きいときは、
涙は簡単に出てこないときもあるかもしれません。
100リットルくらい心の中にたまっている涙であっても
ほんの少しずつしか、出てこないのかも。
号泣していないから、悲しくないのではありません。
どうか、誤解しないで。
それは悲しみと衝撃があまりに奥深くしみ込んで
心も体も涙も凍結させてしまったから。

きのうお目にかかったお母様、
本当によく頑張ってこられたと思います。
神様はどうしてこんな過酷な出来事を彼女に
もたらしてしまったのだろうかと
思わずこちらも泣けてきたけど
その赤ちゃんの人生を丸ごと引き受けて
大切に、慈しみ、愛しているお母様の姿を見ていると
そういう彼女だからこそ、その赤ちゃんの母に
なれたんだなあって思いました。

赤ちゃんはお母さんとお父さんを選んで
生まれてくると言うけれど、
短い人生の中に、たくさんの大変な出来事が
詰まっていても、それを全部丸ごと引き受けて
十分に愛してくれるご両親だってことを
きっとその赤ちゃんは、わかっていたんだなあ。

赤ちゃんの写真を撮る時、
それを撮っている方(ご両親)は写っていないから
あとで見ても、一緒の写真がなくて、寂しい気持ちが
いっぱいかもしれません。
でも、写真に収められたその笑顔は、
カメラの向こうにいた、あなただけに向けられたもの。
楽しい時、びっくりした時、眠っている時、
その瞬間、瞬間、いろんな気持ちが
写真に込められています。
だから赤ちゃん一人で写っている写真
それは、赤ちゃんからあなたへのお手紙です。
どんなお手紙の文章かな。
それはあなただけがわかるもの。

きのうお目にかかった後の帰り道、
お母様のお部屋の上には
一面のきらきらの星の夜空でした。
今日も、明日もこれからずっと
彼女の進む道が照らされますように。
そう祈らずにはいられませんでした。