2014年11月08日

右脳と左脳の見事な協調 金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図: 日本国宝展(2014年秋冬 東京国立博物館)

さきほど取り上げた
一字蓮台法華経 普賢菩薩勧発品に引き続き
すばらしい字で作り出す芸術2点目です。

紺地を背景に金光明最勝王経の一字一字が金銀泥で書かれて、
それが塔を形作っているのです。
何層にも重なる屋根のそりかえりも
それが字の向きによって美しく表現されています。
「書く」ということと
全体を司る美を認識していくこと、その同時の作業が
できているとは、右脳と左脳が同時にくるくると
1つの目的に向かって協調しているってことですよね。

パソコンであれば、瞬時に作業が面を拡大したり縮小したり
間違ったら元に戻ってやり直しできるけれども、
当時の方々はすべて肉眼での生の手作業。
すばらしいなあ。

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金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図
第一幀 2幀(10幀のうち)
平安時代 12世紀
岩手 中尊寺大長寿院
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posted by Lana-Peace at 22:54| アート / 歴史 絵画・彫刻・陶芸