2014年09月28日

山本達彦氏ライブ「TATSUHIKO YAMAMOTO MANDALA LIVE 2014 〜Live en Quatre Saisons・Automne〜」

昨日東京 南青山で行われた山本達彦氏のライブ
「TATSUHIKO YAMAMOTO MANDALA LIVE 2014
〜Live en Quatre Saisons・Automne〜」
に行ってきました。

濃いグレーのような紺のような上下に黒いシャツで現れた山本さんは
今年6月のマンダラライブの時よりも
抱えていた何か(別に悪いものではなくて、気がかりなこと)を手放して、
すごく楽になったような、すっきりとした印象を受けました。
(※私の勝手な印象ですが…)
山本さんがグランドピアノのペダルを踏むたびに、
綺麗に結ばれた革靴の紐は、暗い会場の中で、
蝶が美しい弧を描く影絵のようでした。

最初は山本さんのソロで始まりました。
それからコントラバスの戸川智章氏、
そして中盤からバイオリンの桑野聖氏が参加されました。
戸川さんのコントラバスは土に吸い込まれる雨音のようなあたたかさがあるし、
桑野さんのバイオリンは時に軽快に、時に悲しく嗚咽するように奏でられ、
山本さん、戸川さん、桑野さん3人からそれぞれ発せられる音が
ミックスすると、その時間と空間が、
まるで額縁で縁取られたかのような重厚なものに変わります。

「今回は人生の機微を凝縮した曲を選びました。」と
山本さんが最初におっしゃっていました。
私は運よく、今回とてもステージに近い席で拝聴できたのですけど
一曲、一曲、心を込めて歌われる山本さんの表情が、
すごくよく見えて大感激。
山本さんの身体の奥底の大きなエネルギーが、
喉を通して私たちのいる空間に発せられ、
ピアノの鍵盤を奏でる指を通して、
音がライブハウスの空間に広がって行く様子は
何かその瞬間、瞬間が「アート」だなあと思いました。

ちょうど2年前の今頃、私はがんの手術前の身辺整理で忙しく
また術直後から希望していた統合医療は、
自分が思っていたように受けられるわけではないとわかり、
いろいろと考えこんでしまっていた頃でした。
これからどう動いて行くかわからない
得体のしれない自分の未来に落ち込んだり、焦ったり、苛立ったり、
そんなこんなの日々だったのですけれど
時は巡って同じ季節になった時、
今はこのような時間を過ごすことができていることを
山本さんの歌声を耳にしながら、しみじみ嬉しく思っていました。
これから「9月」と言えば、自分の混迷の時期を思い出すのではなく
山本さんのライブで過ごした上質な時間が、一番先に心の中に浮かぶような、
そんな思い出の上書きができて本当に良かった!

普段は山本さんがピアノの弾き語りで各曲を歌われている
アルバム「Conversation With Myself」の三部作を
聞くことが多いのですけど、これは実に素晴らしい三部作だと思いますが、
やはりライブ会場での歌声の上質さは、形容し難い上質さです。
それはライブの魔法?
でももしかしたら
音楽に真摯に取り組む山本さんの艶やかなエネルギーが音に凝縮され、
その音が自分のいる空間をリアルタイムでどんどん埋めていくから、
圧倒されるのかなあ。

「まだまだやり残したことがある。」
「わかればわかるほど、音楽は深い。」
「人の感性を取り入れて、自分も成長していきたい。」

山本さんはそうおっしゃっていました。
ベテランの域に入っても、
そうした言葉を素直に口にできるって、素敵ですね。

昨日はマンダラライブ130回だったということで
「マンダラライブ200回まで、あと何年かかるかなあ…」と。
きっと、何年後かのマンダラライブでも謙虚に努力し、
新化し続けている山本さんなのだろうと思います。
そういう生き方、努力を続けるって、大変なことだけど、
それ自体が極められた「美」だなあと思います。
posted by Lana-Peace at 19:08| アート / 歴史 音楽