2014年09月06日

「小田日和」から考えるグリーフケア 最終回:心の中のシェルター

これまで7月から2カ月にわたり、10回に分けて
小田和正氏のアルバム「小田日和」からお子さんを亡くしたご両親の
グリーフケア(※)を考えてきました。
※グリーフケアとは、大切な方を亡くし、心が立ちいかなくなってしまった方を
 支援するケアのことです。

もちろん作詞をされた時、小田さんは違った情景を想定して
作られた歌だろうと思います。
でも、旋律に乗せられて届けられる歌詞は
聴く人によって、いろいろな広がりを持って心の中を進んできます。
「小田日和」のすべての歌詞に共通するのは
誰かの幸せを誰かが願っている ということです。
歌詞によって築かれる世界、思想は
人それぞれ心の中で異なった形をとるでしょうが
幸せを願われていることを感じとる ということは、
どなたの心にも心地良い風を送り、
心地良い居場所を作ってくれることになると思います。

小田さんは学生だった頃、
東北大学と早稲田大学大学院で建築学を学ばれました。
卒業後、建築家の道は歩まれなかったけれども、
音楽活動を通して、こうして人の心の中に、
シェルターのようなあたたかい場所を
建て続けてくれたのだなあと思います。

決して悲しい歌ばかりが並んでいるのではありません。
先立ったお子さんからの天からのメッセージが
あなたのもとに歌になって届けられた…
それはとてもあたたかいメッセージが詰まっています。
ぜひ、行間からそれを読み取ってほしいなあと思います。

小田和正氏「小田日和」とグリーフケア
「小田日和」から考えるグリーフケア 1. お子さんの願いと親孝行
「小田日和」から考えるグリーフケア 2. お子さんの夢に向かって共に歩む
「小田日和」から考えるグリーフケア 3. 反芻する思い出と時間軸
「小田日和」から考えるグリーフケア 4. 数えきれない新たな思い出
「小田日和」から考えるグリーフケア 5. 信じて見つけ出す「今」の価値
「小田日和」から考えるグリーフケア 6. 笑顔が生み出す力
「小田日和」から考えるグリーフケア 7. 彼方まで続く新しい関係性
「小田日和」から考えるグリーフケア 8. ゆっくり、元気になって
「小田日和」から考えるグリーフケア 9. 忘れられない、大切な人
「小田日和」から考えるグリーフケア 10. 心安らかな夜と充たされる心