2014年08月10日

「小田日和」から考えるグリーフケア 8. ゆっくり、元気になって

お子さんが亡くなってから、ご両親はなかなか元気にはなれないものです。
「早く、元気になって」という励ましの言葉も、
他人事のように聞こえるかもしれません。
それがあなたに対する心からの愛情に基づく言葉であっても、
「そうは言われても、こればかりは、どうにもこうにも…」と
心の声が反響していることでしょう。

普段、家庭や職場で求められる役割にそって
無意識に元気を出そうとしているかもしれません。
気丈に振る舞っていらっしゃるかもしれません。
頑張る自分を演じることで何とかその場を切り抜けられるのでしょう。

でもその役割を終えた時に、眠る前、仕事が終わった時、
虚しさでいっぱになることも。
深い絶望とこの世への失望は、あなたから生きる力を奪ってしまうかも。

そのような時に聴いてほしい歌があります。
小田和正氏のアルバム「小田日和」の中の「その日が来るまで」です。
今は救われて、守られて、平安な世界で心穏やかに成長しているお子さんが、
ご両親に向けて送られたメッセージのように思えます。
「君」という部分をあなたのことだと思ってみてください。

冬の長い豪雪地帯にも、必ず春がやって来て、
お日様の光によってだんだんと雪は溶けていきます。
風も凍りつきそうな寒い日に、雪の重みに耐えていた枯れ木も、
春になったらゆっくりと芽吹き始めます。
あなたも同じ。大地と同じようにたくさんの力が潜んでいます。

無理に除雪しなくても、お日様のあたたかさを十分大地が受けとめれば、
必ず雪は溶けていきます。
それは大地に生きるご両親に向けて、
お日様のような愛情を寄せるお子さんの姿に重なります。

詳しくはこちらに書きました。
悲しみで心の中がふさがった時 
「ゆっくり、元気になって」
http://www.lana-peace.com/2/2-1-035.html