2014年08月05日

ジル・ボルト・テイラー先生『奇跡の脳』

37歳の時に左脳の脳出血に倒れられたアメリカの神経解剖学者
ジル・ボルト・テイラー先生は、
身体を動かす能力を司る運動野、
皮膚と筋肉で世界を感じる能力を司る感覚野、
文章を作る能力を司るブローカ野、
言葉の意味を理解する能力を司るウェルニッケ野、
そして身体の境界や空間時間を認識する方向定位連合野にわたって
ダメージを受けてしまいました。
しかしテイラー先生はその後、リハビリに励まれ、
目覚ましい回復を遂げ、新たな人生を歩み始められました。

それは『My Stroke of Insight』として本にまとめられ、
現在和訳版『奇跡の脳』として手に取ることができます。
ジル・ボルト・テイラー著, 竹内薫訳(2009)『奇跡の脳』新潮社
人間の持つ底力の偉大さがとても伝わってくる良書です。

テイラー先生は発症前から神経解剖学者として
脳の働きについて深く研究されていたことから
ご自身に起こった病的変化を非常に冷静に、科学的に記されていますが
その一方で、非常に心充たされ、宇宙につながる感覚を得たことも記されています。
そこの部分だけ取り上げられると、どこか胡散臭い何か怪しげな精神世界の
話のように誤解されてしまうかもしれません。
しかしながら、神経解剖学者であるテイラー先生は、それを科学的に追及されていきます。
人間はそもそも振動する原子の集合体であるといったところまで、
話を進めて考えられ、どうしてそうした不思議な感覚が導かれたのか考察されています。

闘病記はたくさん世に出ていますが、一味違ったその記録の中には、
ぜひ病気のお子さんと共に過ごすご家族に、分かち合いたい情報がたくさんありました。

あまりにもたくさんなので、回数を分けてお伝えしようと思います。
まずは初回はこちらです。

病気と一緒に生きていくこと 
「消えてしまったなら、作り出す」
http://www.lana-peace.com/1/1-1-056.html
http://www.lana-peace.com/index.html

テイラー先生はどうしてミネストローネではなくて、
グリルド・チーズ・サンドイッチではなくて
ツナサラダを選んだのか……。
学ぶということは、いろいろなところにチャンスがあるのですね。